2004 Fiscal Year Annual Research Report
C型肝炎ウイルス(HCV)複製酵素(NS5B)と制御因子NS5Aの機能解析
Project/Area Number |
14370054
|
Research Institution | KANAZAWA UNIVERSITY |
Principal Investigator |
村上 清史 金沢大学, がん研究所, 教授 (90019878)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
林 直之 金沢大学, がん研究所, 助手 (50253456)
|
Keywords | HCV / NS5B / NS5A / RNAレプリコン / ヌクレオリン / RNA依存RNA合成酵素(RdRP) / 集約型アラニン置換変異ライブラリー |
Research Abstract |
HCVの持続感染の遮断が肝がん発症の予防の有効な方法と期待される。HCVは宿主とは異なるRNA複製過程があり、RNA複製酵素(RdRP)であるNS5BがHCV複製遮断の有力な標的である。我々は、多種の変異導入NS5Bを用いてRdRP活性に必須な残基を特定し、細胞内シグナルの受け手であるNB5AがNS5Bと特異的に相互作用すること。改良HCV RNAレプリコン系で、集約型アラニン置換変異及び点アラニン置換を用いて、NS5AのNS5B結合領域がHCV複製に必須であることを見いだした。 本年度の成果は以下の通りである。 1.NS5AのNS5B結合領域のトランス過剰発現によるHCV複製への阻害効果をHCV RNAレプリコン系を用いて検討したが、外来性野生型NS5Aがトランスに働いて、HCV複製を回復する系に成功しなかった。 2.in vitro RdRP活性に必須な5アミノ酸残基の各々をアラニンに置換したHCV変異レプリコンを作成しHCV複製への効果を検討した結果、これら5残基がHCV複製に必須であることが示された。 RdRP活性系の解析に用いたJK1 isolateのNS5BはHCVレプリコン系でHCV複製が観察されなかった。JK1とM1LEとのキメラNS5B及び点置換変異NS5Bを持つM1LE HCVレプリコン系で解析した結果、NS5B中央部の4残基がM1LE isolateと異なっていることが原因であると判明した。これらの残基は、酵素の安定性にかかわると示唆された。 3.ヌクレオリンとNS5Bの特異的結合のHCV複製への影響を、ヌクレオリン結合能が消失した変異NS5Bを含むHCVレプリコンのHCV複製の効率ので評価した。その結果、NS5Bのヌクレオリン結合領域がHCV複製に必須であり、siRNA法によるヌクレオリンの発現低下はHCV複製の低下をもたらした。この結果はHCV複製にヌクレオリンが関与する可能性を示す。
|
Research Products
(4 results)