2004 Fiscal Year Annual Research Report
ヒト消化器癌の増植・進展過程におけるドーマンシー制御因子と新規関連蛋白の検索
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14370069
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Research Institution | National University Corporation Tottori University |
Principal Investigator |
井藤 久雄 国立大学法人鳥取大学, 医学部, 教授 (60127610)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
守山 正胤 国立大学法人大分大学, 医学部, 教授 (90239707)
庄森 浩平 国立大学法人鳥取大学, 医学部, 助手 (60314572)
尾崎 充彦 国立大学法人鳥取大学, 大学院・医学系研究科, 助手 (40325006)
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Keywords | ヒト胃癌 / 細胞周期 / アポトーシス / RUNX3 / 発現ベクター / COX-2 / Skp2 / PTEN-Akt |
Research Abstract |
1.RUNX3発現が確認された胃癌細胞株(MKN-1,-7,-45)では、44kD付近に1ないし3本のバンドが検出された。また、27kDのバンドも検出された。これは他のRUNX familyと同様にオルタナティブスプライシング産物であった。ヒト細胞に感染可能なRUNX3発現組換えアデノウイルスベクター(1.23 x 108 pfu/ml)を作製し、HeLa細胞および胃癌細胞株MKN-28に対し25MOIで高率な感染およびRUNX3蛋白の過剰発現を確認した。RUNX3発現ベクター導入MKN-28では生細胞率が抑制されたが、アポトーシス誘導効果はなかった。 2.ヒト胃癌切除標本12例より癌部および非腫瘍部から抽出した蛋白を用いプロテオーム解析による発現量の異なる既知蛋白20種類の内、HSP27は胃癌培養細胞株で発現しており、手術材料でも非癌部より癌部で高発現していた。他方、CYR1では癌部での発現が低下していた。未知蛋白のクローニングに着手した。 3.COX-2を発現している胃癌および食道癌培養細胞株に選択的阻害剤であるNS398を処理すると細胞増殖活性が抑制され、G2/Mアレストが生じた。また、Fas誘導アポトーシスを著しく増強したが、その際にはBadとPTENの発現亢進とリン酸化Akt発現低下が確認された。 4.ヒト胃癌63例の解析から、COX-2はF-box proteinであるSkp2発現と相関、P27と逆相関し、しかも、両者が高発現している症例では患者予後が有意に不良であった。 5.PI3K阻害剤であるLY294002はリン酸化Akt発現を抑制し、G1アレストを誘導することが膵癌培養細胞株で示された。
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Research Products
(6 results)