2002 Fiscal Year Annual Research Report
不整脈の発生基盤に関する機能病理学的研究―生体位梗塞心におけるギャップ結合の発現と細胞内カルシウムハンドリングの統合的可視化―
Project/Area Number |
14370081
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Research Institution | Kyoto Prefectural University of Medicine |
Principal Investigator |
高松 哲郎 京都府立医科大学, 医学部, 教授 (40154900)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田中 秀央 京都府立医科大学, 医学部, 助手 (60236619)
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Keywords | 心筋梗塞 / カルシウムイオン / ギャップ結合 / 不整脈 / リアルタイムレーザ顕微鏡 |
Research Abstract |
心筋梗塞境界部の局所的な形態異常がどのように不整脈発生に寄与するかを解明するため、機能している心臓において、ギャップ結合蛋白であるコネキシン43と細胞内カルシウムイオンの三次元的動態を統合的に把握することを目的として以下の研究を行った。 1.初代新生仔培養心筋細胞にギャップ結合蛋白質のひとつであるコネキシン43遺伝子に突然変異を導入した発現ペクターを作成し、内因性のギャップ結合の機能に対する影響を検索した。コネキシン43-GFPベクターないしドミナントネガティブコネキシン43-GFPベクターをリポフェクション導入し、それぞれの発現細胞を得た。これらの細胞において、ギャップ結合細胞間コミュニケーションが阻害された細胞をリアルタイムで可視化することに成功し、細胞間コミュニケーションの阻害が、心筋細胞間のCa2+トランジェントの非同期を引き起こすことを明らかにした。 2.虚血心筋のin situカルシウムイメージング生体位に近いランゲンドルフ灌流下での心臓のカルシウム動態を細胞レベルで観察することにより、単離心筋では把握できなかったカルシウム動態の細胞間均一性や伝播性といった細胞間連関を検索した。つまり、冠動脈結紮後2時間、12時間、24時間の各マウスの心臓を摘出し、リアルタイム共焦点レーザ顕微鏡にて観察した。虚血心筋においては細胞内カルシウム負荷の増強に伴いカルシウム波の発生頻度や細胞間伝播性が高まり、拡張期に局所的な上昇が広範囲にみられるようになった。こうした高頻度のカルシウム波が広範に発生すれば、撃発自動能を惹起しやすくなり、伝導障害やリエントリー性不整脈の原因となると考えた。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] Tanaka, H., Oyamada, M., Tsuji, E., Nakajo, T., Takamatsu, T.: "In situ visualization of the intracellular Ca2+ dynamics at the border of the acute myocardial infarct"Molecular and Cellular Biochemistry. (in press).
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[Publications] Oyamada, Y., Zhou, W, Oyamada, H., Takamatsu, T., Oyamada, M.: "Dominant-negative connexin43-EGEP inhibits calcium-transient synchronization of primary neonatal rat cardiomyocytes"Exp. Cell Res.. 273. 85-94 (2002)
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[Publications] Tanaka, H., Oyamada, M., Tsuji, E., Nakajo, T., Takamatsu, T.: "Excitation-dependent intracellular Ca2+ waves at the border zone of the cryo-injured rat heart revealed by real-time confocal microscopy"J. Mol. Cell. Cardiol.. 34. 1501-1512 (2002)
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[Publications] M.Kobayashi, K.Fujita, T.Kaneko, O.Nakamura, T.Takamatsu, S.Kawata: "Multifocus second-harmonic generation microscope with a microlens array seanner"Opt. Lett.. 27. 1324-1326 (2002)
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[Publications] Oyamada, M., Oyamada, Y., Kaneko, T., Takamatsu, T.: "Embryonic stem cells : Methods and protocols"Regulation of gap junction protein (Connexin) genes and function in differentiating ES cells. 16 (2002)