2004 Fiscal Year Annual Research Report
国内発症Q熱症例の感染経路に関する研究(ペット及び食品由来伝播の解析)
Project/Area Number |
14370088
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Research Institution | TOHOKU UNIVERSITY |
Principal Investigator |
渡辺 彰 東北大学, 加齢医学研究所, 助教授 (70220861)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
徳江 豊 群馬大学, 医学部附属病院, 助教授 (80292275)
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Keywords | Q熱 / Coxiella burnetii / 感染経路 / 家畜 / ペット / 抗体価 / PCR |
Research Abstract |
1)急性Q熱症例における推定感染経路調査 これまでに集積された急性Q熱確診例および疑診例において、その感染経路に関する情報を整理集積した。症例のうち確実な国外感染例が1例、国外感染が疑われる症例が1例認められたが、残りは全て国内感染例と考えられた。発症前における動物との接触機会は大多数の症例で確認されたが、大多数はイヌ、ネコを中心とした哺乳類が占めており、その他はトリとの接触後に発症した症例が認められた。動物との接触状況に関しては、必ずしも濃厚な接触でなくても感染は成立するものと考えられた。一方では明らかな動物との接触機会を有しない症例も散見されたが、これら症例に関して食品、医薬品、肥料、化粧品、ダニなどからの間接的な感染経路の存在を強く示唆するような情報は得られなかった。 2)コクシエラ抗体価陽性例における推定感染経路調査 これまでの検討で確認されたコクシエラ抗体価陽性症例において、同様にその背景情報を整理集積した。暴露背景としてはやはりなんらかの形で以前に動物との直接接触機会を有した症例が多く、動物種としてはウシ、ヒツジ、シカ、イヌ、ネコ、ハムスター、ニワトリなど多彩だった。職業的な暴露機会の存在が示唆された症例としては、獣医師、農業高校勤務、牧畜業などの陽性例が散見された。 3)保菌動物調査 急性Q熱症例および抗体価陽性例における接触動物の解析では、実際にPCR法において動物が陽性であることを一部のケースで確認できた。保菌動物周囲の環境調査においては、大量排菌によるアウトブレイクの危険性が強く示唆される症例は見いだされなかった。 4)ハトのフン、食品、肥料などを対象としてコクシエラの遺伝子検査をこころみたところ、ハトのふんなどでは一部PCR陽性検体が確認されたが、これらが実際のヒトへの有力な感染源になっている可能性は非常に低いものと推定された。
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Research Products
(6 results)