2003 Fiscal Year Annual Research Report
環境ストレスによるグラム陽性球菌の病原因子発現の調節の解析
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14370090
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
太田 美智男 名古屋大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (20111841)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鳥居 啓三 名古屋大学, 大学院・医学系研究科, 助手 (80324440)
長谷川 忠男 名古屋大学, 大学院・医学系研究科, 助教授 (10314014)
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Keywords | 黄色ブドウ球菌 / TSST-1 / super antigen / カタボライトリプレッション / ETB / A群レンサ球菌 |
Research Abstract |
前年に引き続き黄色ブドウ球菌(含MRSA)ならびにA群レンサ球菌について、病原因子としての菌体外分泌蛋白である各種蛋白毒素、酵素について、2次元電気泳動ならびにLC-MS/MSを用いて解析した。 1.Super antigenのTSST-1について、MRSA腸炎株、NTED株、その他の院内感染株のTSST-1産生量を各種培養条件でイムノブロッティングにより定量し比較したTSST-1はグルコースによる強い産生抑制を受ける。これはtst遺伝子上流の特定の塩基配列によるカタボライトリプレッションによることが明らかとなった。培養条件を同一にして産生量を比較すると、NTED株は大量のTSST-1を分泌したがMRSA腸炎株は必ずしもその量が多くなかった。したがって他のsuper antigenの作用も考えられた。産生量の違いについて現在agr遺伝子の構造、tst遺伝子上流域の構造について検討している。 2.MRSAの分泌を担う蛋白の一つであるTatについて、ノックアウト株を数珠について作成し分泌蛋白について検討した。その結果菌株によっては分泌蛋白の変化が見られたが、その影響は必ずしも一定ではなかった。現在antisense RNAベクターを用いてTatの黄色ブドウ球菌蛋白分泌の役割を検討中である。 3.表皮剥離毒素ETBについて大量産生MRSA株を見いだした。この株では他の分泌蛋白の産生が抑制されていた。そのメカニズムについてノックアウト株を作成し検討中である。 4.MRSAの3種の菌体外proteaseの菌の増殖における役割について検討するために、ノックアウト株の作成を試みた。しかしV8 proteaseは欠失株が得られたが他の2種の欠失株は得られなかった。これらは黄色ブドウ球菌の増殖に必須と考えられる。 A群レンサ球菌M1株の病原因子分泌蛋白であるSicについて、調節遺伝子mgaノックアウト株では産生量が大幅に低下することを見いだした。したがってsicはmgaによって調節されている、なおmga欠失株では他の数種の分泌蛋白の産生にも影響が見られた。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] Torii K, Iinuma Y, Ichikawa M, Kato K, Baba H, Suzuki R, Ohta M: "A Case of Nosocomial Legionella pneumophila Pneumonia."Jpn J Infect Dis. 69. 101-102 (2003)
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[Publications] Hidemura K, Zhao Y L, Kanazawa H, Takagi K, Ohta M, Hasegawa T: "Shiga-Like toxin II impairs hepatobiliary transport of doxorubicin in rats by down-regulation of hepatic P glycoprotein and multidrug resistance-associated protein Mrp2"Antimicrob Agents Chemother. 47. 1636-1642 (2003)
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[Publications] Ina K, Kusugami K, Ohta M: "Review Bacterial hemorrhagic enterocolitis"J Gastroenterol. 38. 111-120 (2003)