2003 Fiscal Year Annual Research Report
ヒトT細胞白血病ウイルスTaxによる転写制御と細胞の不死化
Project/Area Number |
14370101
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Research Institution | KYOTO UNIVERSITY |
Principal Investigator |
下遠野 邦忠 京都大学, ウイルス研究所, 教授 (10000259)
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Keywords | ヒトT細胞白血病ウイルス / Tax / 転写 / アポトーシス / CREB |
Research Abstract |
ヒトT細胞白血病ウィルス(HTLV)がコードするTaxによるウイルスの転写プロモーター(LTR)活性化について解析し、この転写活性化にはTax以外に細胞側の新規遺伝子産物、TAXREB803が必要であることを明らかにした。TAXREB803は約3000アミノ酸からなりセリン・アルギニンに富む。また、本タンパク質は他のグループによりスプライシングに関係するタンパク質であると報告された。本報告者はTAXREB803の機能を解析して、本タンパク質によるTax依存的な転写活性化にはスプライシングの機能は必要ないことを明らかにした。TaxはCREBと会合してLTRからの転写活性化に働くことが知られている。一方、細胞性CREB応答配列(CRE)を持つ遺伝子にはTaxは働かない。この違いは細胞性CRE配列の隣にあるピリミジンに富む配列の有無によると推定される。実際にLTRのピリミジンに富む配列に変異を入れた場合、Taxの応答はなくなる。一方、TAXREB803はLTR上のピリミジンに富む配列と相互作用している。これらのことから、LTRとTAXREB803の会合、TaxとCREBとの会合、およびCREBとCREとの会合がTaxによるLTRからの転写に重要であることが示唆された。また、Taxにより転写活性化される細胞周期阻害因子、p21の発現亢進は細胞のアポトーシスを抑制するのに重要であることも見いだした。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] Kawata S, et al.: "p21(Waf1/Cip1/Sdi1) prevents apoptosis as well as stimulates growth in cells transformed or immortalized by human T-cell leukemia virus type 1-encoded tax"J Virol.. 77. 7291-7299 (2003)
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[Publications] Kato N, et al.: "Establishment of a hepatitis C virus subgenomic replicon derived from human hepatocytes infected in vitro"Biochem Biophys Res Commun.. 306. 756-766 (2003)
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[Publications] Youn HG, et al.: "SR-related protein TAXREB803/SRL300 is an important cellular factor for the transactivational function of human T-cell iymphotropic virus type 1 Tax"J Virol.. 77. 10015-10027 (2003)