2004 Fiscal Year Annual Research Report
Th1/Th2細胞分化とクロマチンリモデリングに関する研究
Project/Area Number |
14370107
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
中山 俊憲 千葉大学, 大学院・医学研究院, 教授 (50237468)
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Keywords | Th2細胞 / ポリコーム遺伝子 / bmi-1 / Ring1B / ヒストンアセチル化 / クロマチンリモデリング |
Research Abstract |
CD4陽性のヘルパーT細胞は、産生するサイトカインによってTh1細胞(IFN-γ、IL-2、TNF-β産生)とTh2細胞(IL4、IL-5、IL-13産生)に分類される。これらの細胞は、それぞれ違った局面で免疫反応を制御している。さらに、Th1/Th2のバランスは、多くの免疫が関与する病態と密接な関係を持っている。Th2優位の状態はI型アレルギーの発症と関係があり、I型糖尿病や臓器特異的自己免疫疾患ではTh1優位の状態になる。本申請研究では、Th1/Th2細胞の分化の際に誘導されるクロマチンリモデリングについて解析した。特に、Th2サイトカイン遺伝子座におけるヒストンのアセチレーションを指標に、RAS/ERK MAPK経路の役割と、クロマチンレベルでの調節を行って転写記憶(transcriptional memory)に関与すると言われるポリコーム遺伝子の関与機構を解明することを目的にした。今年度は、bmi-1ポリコーム分子とGATA3、HDACなどが複合体をなしてTh2細胞に存在し、かつTh2サイトカイン遺伝子座のクロマチンに作用しているかどうかについて、それぞれ違ったTagを付加した遺伝子をTh2細胞株に遺伝子導入し、免疫沈降とCHIP assayを行って解析した結果、Ring fingerが結合、Th2細胞分化に重要であることが明らかになった。Ring1Bノックアウトマウスの解析から、Th2分化にRing1B分子の発現が重要であることがわかった。Ring1B分子は、分子内にhelix-turn-helixやring finger domainを持っているので、それぞれを欠く分子をRing1BノックアウトマウスのT細胞に遺伝子導入し、どの部分がヒストンアセチル化、ヒストンメチル化などの誘導に重要であるかについて解析するための実験系が確立出来た。
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