2002 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
14370109
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
宮島 篤 東京大学, 分子細胞生物学研究所, 教授 (50135232)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田中 稔 東京大学, 分子細胞生物学研究所, 助手 (80321909)
関根 圭輔 東京大学, 分子細胞生物学研究所, 助手 (00323569)
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Keywords | サイトカイン / 免疫 / リンパ球 / 胸腺 / アポトーシス / マクロファージ / 樹状細胞 / T細胞 |
Research Abstract |
胸腺上皮細胞の機能と遺伝子発現の解析 我々は胸腺細胞をOncostatin M (OSM)存在下で培養すると上皮細胞がOSM依存的に増殖することを見いだしている。OSM受容体の抗体で胸腺を染色すると、皮質と髄質の境目が特異的に染色されることから、OSM依存的に増殖する細胞はこの皮質と髄質の境界に存在する上皮細胞に由来するものと考えられる。さらに、OSM受容体欠損マウスやgp130変異マウスでは胸腺の皮質と髄質の構造に変化が認められたので、OSMあるいはその類縁サイトカインが胸腺の形成に重要であることが示唆された。 未分化胸腺前駆細胞は、この培養上皮細胞との共培養によりマクロファージへと分化し、上皮細胞の培養浄清によって樹状細胞へと分化する。そこで、この胸腺前駆細胞由来のマクロファージと樹状細胞との機能を調べた。このマクロファージはアポトーシスを起こしたT細胞を効率よく貪食することから、T細胞分化の過程で排除されたT細胞を素早く処理するスカベンジャーであることが示唆された。一方、樹状細胞はMLRにて強い抗原提示能を示したことから、自己反応性のT細胞の排除に関与する可能性が示唆された。胸腺前駆細胞の分化に関わる分子の同定を目指して、胸腺上皮細胞株の遺伝子発現プロファイルを調べたところ、いくつかのサイトカインやその受容体の発現が認められたので、現在それらが胸腺前駆細胞の分化に関与するかどうか検討を行っている。
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