Research Abstract |
30歳以上の全国女性看護師を対象にベースライン調査を実施しているが,第一次対象者募集で39,371人(追跡調査同意者コホート成員9,009人),第二次対象者募集として,今年度はあらたにコホート成員として約5,300人から追加回答を得た。第一次募集でのコホート成員については,追跡2年後調査として,生活習慣の変化および新規疾病発生について調査を実施した。また,第一次募集ベースライン回答データについて,今年度は特に薬剤の利用に関して詳細を分析した。 女性ホルモン薬については,写真付薬剤リストを調査票に同封し使用薬剤を特定した。ホルモン補充療法利用歴は,30歳代で0.5%,40-44歳で1.4%,45-49歳で3.9%,50-54歳で8.5%,55-59歳で10.7%,60歳以上で9.6%と,自然閉経後の女性の約1割で使用歴があり,また,低用量ピルの使用歴は,30歳代で1.7%,40歳代で1.2%,50歳代で0.9%,60歳以上で0.4%であった。低用量ピル市販後1〜2年しか経ていない時点での調査であったが,低用量ピル・ホルモン補充療法いずれの女性ホルモン剤の利用も,決して少なくなかった。 ビタミン剤やカルシウム剤などいわゆる栄養補助剤(サプリメント)の利用者は,30歳代で19.4%,40歳代で15.8%,50歳代で16.1%,60歳代で23.3%であった。サプリメント利用者の特性を検討したところ,高学歴痩せ型で比較的非健康的な生活習慣(喫煙,朝食欠食,大豆食品非摂取など)を持つ女性に利用者が多い傾向を示した。
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