2003 Fiscal Year Annual Research Report
生活習慣行動の変容に関連する感受性遺伝子の探索と生活習慣病予防プログラム開発
Project/Area Number |
14370136
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Research Institution | University of Yamanashi |
Principal Investigator |
山縣 然太朗 山梨大学, 大学院・医学工学総合研究部, 教授 (10210337)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
水谷 隆史 山梨大学, 大学院・医学工学総合研究部, 助手 (50334868)
武田 康久 山梨大学, 大学院・医学工学総合研究部, 助教授 (60324183)
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Keywords | 遺伝子多型 / 行動変容 / 予防行動 / SNP |
Research Abstract |
本研究では生活習慣病予防の介入に対して、介入効果の違いに関与する遺伝子を行動変容感受性遺伝子と命名し、食行動、飲酒行動、喫煙行動に関連する行動変容感受性遺伝子を同定した。併せて、パーソナリティー、健康観等の宿主要因など他の関連要因の関与を明らかにし、新たな生活習慣予防の介入プログラムを考案した。本年度は対象者の追加リクルートと遺伝子同定および生活習慣を加えた同定を行った。対象者は申請者らが現在関わっている2000名規模の事業所の従業員とし、生活習慣病の危険因子である肥満、飲酒、喫煙に問題がある者とした。定期健康診断の結果、高血圧、糖尿病、高脂血症など肥満関連の疾患の検査が異常値を示したもの、または、肝障害など大量飲酒関連の異常がある者、および喫煙者で、要指導となった者から無作為に抽出した者とした。さらに、申請者らが事業所で進めている禁煙、飲酒制限、肥満予防のプログラム(6ヶ月間)を実施している介入研究の対象者60名に対して、再度、本研究に対するインフォームド・コンセントをとり、本研究の対象者とした。また、遺伝子型同定精度実験として、ALDH2 β3アドレナリン受容体 チトクロムP450 2A6、グルタチオンSトランスフェラーゼ、インターロイキン1β、5-HTTLPRの遺伝子多型の同定を行い、RFLP法等による同定を塩基配列決定法により確認してその精度を評価した。その結果、大量飲酒の指導に対して、ALDH2遺伝子多型の違いによって、明らかな反応の違いが認められた。また、肥満の指導に対する反応にはβ3アドレナリン受容体遺伝子多型は運動との交互作用が示唆された。喫煙に対しては遺伝子多型より、ニコチンパッチの効果が大きかった。これらを総合して、個人の素因に合わせた生活習慣病に対する行動変容プログラムを作成した。
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