2003 Fiscal Year Annual Research Report
画像診断に基づく頭頚部動脈硬化症のリスクに関する疫学研究
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14370143
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Research Institution | Kyoto Prefectural University of Medicine |
Principal Investigator |
渡辺 能行 京都府立医科大学, 医学研究科, 教授 (00191809)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小笹 晃太郎 京都府立医科大学, 医学研究科, 助教授 (20204191)
西村 恒彦 京都府立医科大学, 医学研究科, 教授 (70237733)
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Keywords | ラクナ梗塞 / 白室病変 / 動脈硬化症 / 疫学 / 症例・対照研究 |
Research Abstract |
京都府内の一健診機関における50歳以上の人間ドック受診者を対象に、2003年2月より通常の人間ドック検査に追加して脳ドック検査(MRI、MRA)と血液検査(血漿ホモシステイン値、血漿フィブリノーゲン値、血清ヘリコバクタ・ピロリ菌抗体価、血清クラミジア・ニューモニエ抗体価や血清中の抗酸化物質であるビタミンC値、ビタミンE値、カロテノイド類(αカロテン、βカロテン、ゼアキサンチン、βクリプトキサンチン、ルテイン、リコペン)、葉酸、ビタミンB12)への受診の呼びかけを行った。2004年3月末までに412人が応諾した上で受診したので、そのデータの入力を行った。 また、大阪府内にある一健診機関における1999年1月から2003年5月までの40-79歳の脳ドック受診者のうち男性859人について、脳ドック所見の見直しを行った。ラクナ梗塞保有者は42人(4.9%)であった。そこで、動脈硬化を背景とするラクナ梗塞の所見保有者42人を症例群、ラクナ梗塞の所見の非保有者817人を対照群として、横断的な症例・対象研究として解析した。年齢、内臓肥満、高血圧、糖尿病、飲酒、喫煙についてロジスティック回帰による多変量解析を行い、オッズ比(95%信頼区間)を求めた。40-64歳では高度の内臓肥満(腹部CTで129cm^2以上)は2.6(1.0-6.8)と有意にラクナ梗塞のリスクを高めていた。65-79歳では中等度以上の高血圧は8.3(1.8-38.1)、禁酒は59.3(2.9-122.3)と有意にラクナ梗塞のリスクを高めていた。 なお、本研究は「京都府立医科大学における人間を対象とする医学研究審査委員会」の審査を受け、その許可を得て開始した。
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