2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
14370153
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Research Institution | Hamamatsu University School of Medicine |
Principal Investigator |
鈴木 修 浜松医科大学, 医学部, 教授 (70093044)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
渡部 加奈子 浜松医科大学, 医学部, 助教授 (70288546)
南方 かよ子 浜松医科大学, 医学部, 講師 (70115509)
服部 秀樹 愛知医科大学, 医学部, 助教授 (30107817)
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Keywords | 無機毒物分析 / イオンクロマトグラフィー / 亜硝酸 / 硝酸 / ESR / マンガン / モリブデン / 亜砒酸 |
Research Abstract |
前年度では機器設置を終了し、殆どの無機毒物類分析に対応可能な体制が整った。平成16年度には手始めに血中亜硝酸と硝酸の同時定量法をイオンクロマトグラフィ』を用いて確立し、一方ESRを用いた無機毒物分析研究も進行している。 1)ヒト全血中亜硝酸・硝酸のイオンクロマトグラフィー分析法確立研究の追加実験:本研究の大部分は前年度の報告書に記載したとおりであるが、2人の男性研究者がボランティアとなり、亜硝酸イソブチルのガスを健康に影響を与えない程度に軽く、空気と共に5分間吸入し、直後と10分後に採血し、血中亜硝酸イオンと硝酸イオンを確立した方法で測定したところ、一人のボランティアで吸入直後に3.23μg/mlの亜硝酸が検出された。亜硝酸イオンはその他の血液サンプルでは検出されなかった。2人の被検者共、亜硝酸イソブチルガス吸入後に硝酸イオンの血中濃度が上昇した。前年度に報告した結果と今回のボランティア実験結果を合わせ、学術論文として国際専門雑誌に投稿した。 2)ESRによるヒトサンプル中無機毒物測定法の開発:前年度ではヒト血漿・尿中亜硝酸のESRによる定量法を確立し、専門雑誌に発表した。今回はマンガン(Mn)イオン、モリブデン(Mo)イオンならびにチオシアン酸(SCN)イオンのESRによる測定法の開発研究を行った。Mnイオンは常磁性を持ち、ESR吸収スベクトルに強いシグナルを出現させる。この特性を利用して、組織中のMnイオンを定量することを試み良好な結果を得た。次にMoイオンは+6価の状態では安定で、そのままではESRスペクトルにシグナルを与えない。従って、Moイオンと種々の物質を反応させ、検討した結果、Moイオンとジエチルジチオカルバメートとが非常に強く結合し、その反応物を還元することにより強い常磁性を示すことを見出した。これを利用してヒト尿中のMoイオンの超高感度分析法を確立した。その検出限界はわずか5pgであった。 さらに青酸の代謝産物として知られるチオシアン酸イオン(SCN)は遷移金属とピリジンと容易に結合し、三成分複合体を形成する事力が知られている。この複合体の常磁性をしらべた結果、強いシグナルを生ずることを見出した。我々の実験ではピリジンの代わりに4-メチルピリジンを用い、生成した複合体をベンゼンで抽出した。本法によって良好な定量性を認め、生物試料中SCNのESRによる検出限界は約5μMであった。 3)イオンクロマトグラフィーによるヒト血中亜砒酸の測定法の確立:現在電気化学的検出器を装着したイオンクロマトグラフを用いて、ヒト血中亜砒酸と代謝物の測定法を開発すべく予備実験を行っている段階であり、今後も実験を継続する予定である。
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Research Products
(4 results)