2004 Fiscal Year Annual Research Report
マクロファージ指向性HIVウイルスのEnvelope蛋白の構造・機能解析
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14370159
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
服部 俊夫 東北大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (30172935)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
芦野 有悟 東北大学, 大学病院, 助手 (20361082)
佐野 公仁夫 東北大学, 大学院・医学系研究科, 助教授 (20192601)
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Keywords | gp41 / HIV / 抗体 / エイズ / ワクチン |
Research Abstract |
HIVを構成する蛋白に対する免疫と予後の相関にはさまざまな報告があるが、gp41のcore structure領域に対する免疫に関しては未だに報告がない。H16年度に我々は、HIV感染長期生存患者(Long time survivors ; LTS)とカリニ肺炎患者(pneumocystis carinii patients ; PCP)血清を用いて、抗gp41 core structure抗体と競合実験を行った。これによって、PCP血清はLTS血清に比べて抗gp41免疫のcore structureを構成する領域に対する抗体とよく競合し、特にsix-helix bundle特異的な抗体とより競合することがわかった。したがって、PCPはこの構造に対して強い免疫を持つことになり、今後の方向性としては、予後との相関や免疫の誘導に関心が持たれる。一方、gp120のv3 loopに対する免疫では逆にPCP血清は、LTS血清よりも抗gp120 V3 loop抗体のgp120への結合性を増進させ、PCP血清中に存在する何らかの因子が抗体結合に影響を及ぼす可能性が示唆された。また、我々は、抗gp41 core structure抗体50.69抗体と98.6抗体がHIV持続感染細胞に対して、FACSによる解析系で、一方的な競合を示すことを発見した。この二つの抗体は、ELISAによる解析系ではgp41に対して競合を示さないことが報告されている。つまり、抗gp41抗体の振る舞いがHIV持続感染細胞表面と、溶液中のgp41ペプチドでは異なる可能性を示唆しており、ユニークな結果であるといえる。
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Research Products
(3 results)