2003 Fiscal Year Annual Research Report
消化器癌診断・治療のためのp53関連分子デバイスの開発
Project/Area Number |
14370173
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
石岡 千加史 東北大学, 加齢医学研究所, 教授 (60241577)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
酒寄 真人 東北大学, 医学部附属病院, 助手 (20344666)
加藤 誠之 東北大学, 医学部附属病院, 助手 (60333887)
柴田 浩行 東北大学, 医学部附属病院, 講師 (50260071)
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Keywords | p53 / 消化器癌 / super p53 |
Research Abstract |
我々が独自に構築した網羅的TP53ミスセンス変異cDNAライブラリー(2314種類)から、転写活性化能が野生型より強い変異や、既知のp53下流遺伝子の転写活性化能が野生型とは異なる多様性変異について180種類の哺乳動物用発現ベクターを構築した。それらをヒト骨肉種細胞株Saos-2細胞に導入・発現し、アポトーシス誘導能や下流遺伝子の転写活性化能について解析した。その結果、野生型p53よりもアポトーシス誘導能が強い変異p53を18種類単離した。そのうち6種類は、より強力なアポトーシス誘導能を有する変異p53として報告されているS121F変異と同等ないしそれ以上の強力なアポトーシス誘導能を有し、'super p53'と考えられた。これらのsuper p53は、将来、遺伝子治療に有用である可能性があり、現在、各種ヒト腫瘍細胞株へ導入しアポトーシス誘導能を評価するとともに、アデノウイルスベクターに組み込み'super p53'がin vivoマウス移植腫瘍モデルでの抗腫瘍効果検討中である。180種類の変異p53のアポトーシス誘導能は弱いものから野生型より強いものまでさまざまであったが、個々の変異のアポトーシス誘導能と転写活性化能には相関は見られなかった。super p53の強力なアポトーシス誘導能には、転写非依存的性の機構の関与が示唆された。さらに本研究では、網羅的TP53ミスセンス変異cDNAライブラリーの中から変異p53の機能を回復させる2nd-site suppressor mutationを出芽酵母の転写系でスクリーニングした。その結果、腫瘍で高頻度に認められる変異p53の機能を回復させる2nd-site suppressor mutationを複数同定した。このような変異は、変異p53の機能回復薬剤の開発に有用な情報を提供すると考える。
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[Publications] Kato S, et al.: "understanding the function-structure and function-mutation relationships of p53 tumor suppressor protein by high-resolution missense mutation analysis"Proc.Natl.Acad.Sci., USA. 100. 8424-8429 (2003)
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[Publications] Shiraishi K, et al.: "Isolation of temperature-sensitive p53 mutations from a comprehensive missense mutation library"J.Biol.Chem.. 279. 348-355 (2004)