2004 Fiscal Year Annual Research Report
膵液中の癌関連遺伝子異常を指標とした膵癌の早期診断に関する研究
Project/Area Number |
14370177
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
沢武 紀雄 金沢大学, がん研究所, 教授 (90019969)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
元雄 良治 金沢大学, がん研究所, 助教授 (80210095)
渡邊 弘之 金沢大学, 医学部附属病院, 講師 (30242564)
山口 泰志 金沢大学, がん研究所, 助手 (20303315)
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Keywords | メチル化 / 膵癌 / 膵管内乳頭腫瘍 / ppENK / SARP2 / CLDN5 / NPTX2 / 慢性膵炎 |
Research Abstract |
膵癌(PC)患者38例、膵管内乳頭腫癌(IPMN)患者18例、慢性膵炎(PC)患者18例を対象とし、内視鏡的に採取した膵液よりDNAを抽出し、methylation speciffic PCR(MSP)法および一部real-time PCRによる定量的MSP法を用いてppENK(preproenkephalin),SARP2(Secreted apoptosis related protein 2),CLDN5(Claudin5),NPTX2(Neuronal pentraxin II)の各遺伝子につき、メチル化の有無につき検討し、膵癌診断における有用性を検討した。なお、IPMN18例のうち手術、画像所見より7例は良性、11例は悪性と診断された。 ppENKはPC27例中14例(52%)、IPMN15例中4例(27%)、CP13例中1例(8%)でメチル化を認め、PC患者ではCP患者に比べ有意にメチル化の頻度が高かった。また、SARP2ではそれぞれ32例24例(78%)、20例中9例(45%)、19例中2例(11%)、CLDN5ではそれぞれ33例中10例(33%)、14例中7例(58%)、14例中3例(21%)、NPIX2ではそれぞれ31例中24例(77%)、16例中10例(63%)、13例中6例(46%)でメチル化を認め、SARP2ではPC患者とIPMN患者はCP患者に比し、NPTX2ではPC患者はCP患者に比し、有意にメチル化の頻度が高かった。なお、いずれの遺伝子についてもIPMNの良悪性別ではメチル化の頻度に有意差は認めなかったが、SARP2とNPTX2では良性群に比し悪性群で高い傾向がみられた。 以上の結果より、膵液におけるppENKとSARP2のメチル化は比較的癌特異性が高く、PCの遺伝子診断法として有用と思われる。また、IPMNの良悪性の鑑別に関してはSARP2とNPTX2のメチル化が期待できるものと思われる。
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Research Products
(7 results)