2002 Fiscal Year Annual Research Report
蛋白分解に関わるガンキリンのトランスジェニックマウスによる肝多段階発がんの研究
Project/Area Number |
14370179
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
東辻 宏明 京都大学, 医学研究科, 助手 (60281094)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藤田 潤 京都大学, 医学研究科, 教授 (50173430)
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Keywords | 肝がん / プロテアソーム / がん遺伝子 / がん抑制遺伝子 |
Research Abstract |
ヒト肝がん組織で過剰発現するがん遺伝子ガンキリンは26Sプロテアソームの19S調節サブユニットのひとつであるRpt3(S6-ATPase)サブユニットと複合体を一過性に(constitutivelyにではなく)形成することがわかった。pRbをリン酸化するCDK4タンパクとも複合体を形成した。(J Biol Chem,2002)。次に、酵母の2-hybridの系により同定したもうひとつのガンキリン結合タンパクであるMAGE-A4は、in vitroでのガンキリンによる足場非依存性の細胞増殖を抑え、in vivoにおいて、ガンキリン過剰発現細胞のヌードマウスでの腫瘍形成を抑制した。MAGE-A4分子は、ヒト肝がんで過剰発現しているガンキリンのoncogenicityを抑制することにより、ガンキリンをターゲットにした治療薬となりうる可能性が示唆された(J Biol Chem,2003)。ガンキリンを過剰発現した細胞株では、あるアポトーシス誘導作用をもつがん抑制遺伝子産物の分解が促進されており、この遺伝子産物のリン酸化やアセチル化を抑制した。また、その細胞内局在をガンキリンは変化させた。ガンキリンはユビキチン-プロテアソームの系におけるユビキチンリガーゼ(E3)のコファクターとしての働きがあることが示唆された。次に、in vivoでのガンキリンの肝発がん過程への関与について解析するために、ガンキリントランスジェニックマウスを作成した。肝臓におけるガンキリンの高発現をウェスタンブロットにて確認した。現在、肝組織において、炎症、繊維化、腫瘍形成等の変化が見られるかどうか、経時的に観察中である。ガンキリン高発現が化学発がんやウイルス(B型やC型肝炎ウイルス)と共存した場合、肝臓での腫瘍形成にどのような影響がでるかについても、実験中である。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] Hisako Higashitsuji, et al.: "A noue1 Protein overexpressed in hepatoma accelerates export of NF-KB from the nucleus and inhibits p53-dependent apoptosis"Cancer Cell. Vol.2. No.4. 335-346 (2002)
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[Publications] Nagao, T., et al.: "MAGE-A4 Interacts with the liver Oncoprotein Gankyrin and suppresses its tumorigenic activity"J Biol Chem.. Vol.278 No.12. 10668-10674 (2003)
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[Publications] Dawson, S., et al.: "Gankyrin is an aukyrin-repeat oncoprotein that interacts with CDK4 kinase and the S6 ATPase of the 26 S proteasome"J Biol Chem.. Vol.277 No.13. 10893-10902 (2002)