Research Abstract |
日本人におけるHCV特異的CTLエピトープのlibraryを作る目的で,新しいCTLエピトープの同定を試みた.CTLエピトープは全HCV蛋白をカバーし,10アミノ酸ずつオーバーラップする401種類の15あるいは20アミノ酸のペプチドを20種類ずつ(1組のみ21種類)混合し,3名のC型急性肝炎患者末梢血単核球のCD8陽性細胞を,マクロファージを抗原提示細胞として混合ペプチドで刺激し,IFN-γ産生細胞を算定することによりスクリーニングした.反応が陽性の場合は個々のペプチドで再度刺激して,エピトープの同定を行った.その結果,今回新たにHLA-A^*2602,3101,B^*5101,5102,Cw^*1402,1502を有する患者でHCV NS3 1367-1386,HLA-A^*2402,B^*0702,5201,Cw^*0702,1202を有する患者でHCV E2 604-618,HLA-A^*1101,3101,B^*6701,5101,Cw^*0702,1401を有する患者でHCV NS5A 2284-2303がHCV特異的CTLの抗原エピトープであることが明らかになった.また,先に同定したHLA-A24拘束性CTLのエピトープであるHCV NS5A 2280-2288ペプチド-HLA-A24-Ig dimerとリンパ球の分化マーカーを用いた末梢血リンパ球のFACS解析により,C型慢性肝炎患者の血中に存在するHCV特異的CTLはこれまでの報告と異なり,比較的分化度が進んだメモリー細胞とエフェクター細胞が多いことが判明した.
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