2003 Fiscal Year Annual Research Report
脊髄小脳変性症の病因遺伝子および発症機序解明に関する研究
Project/Area Number |
14370202
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
佐々木 秀直 北海道大学, 大学院・医学研究科, 教授 (80281806)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
矢部 一郎 北海道大学, 大学院・医学研究科, 助手
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Keywords | 脊髄小脳変性症 / 遺伝子 / 発症機序 |
Research Abstract |
我が国において遺伝性脊髄小脳変性症の30%前後が原因遺伝子は特定されていない。我々は連鎖解析により新しい疾患遺伝子座をSCA14として第19染色体長腕末端側19q13.4に決定して報告した。SCA14は小脳性運動失調を主徴とする緩慢進行性の神経変性疾患であり、成年期に発症する。画像診断では小脳萎縮を示すが大脳や脳幹など他の領域には変化を認めない。このことから、SCA14は皮質小脳萎縮症に含まれる疾患と推定される。SCA14の候補領域はハプロタイプ解析によりD19S206-D19S605に区画された10.2cMの範囲である。我々は候補領域にマップされているtandem repeatの伸長程度と疾患との関係について検討したが、SCA14において特異的に異状伸長しているものは認められなかった。我々の報告の後にSCA14は北米からも報告され、起因遺伝子がprotein kinase C Gamma (PKCG)の点変異によることが明らかにされた。我が国の対象についても解析した結果、同様の変異が認められた。この変異はSCA14に特異的であり、遺伝子型が既知のSCAや対象群には認められなかった。現在までにSCAとの関連で報告されたPKCG変異は、総てregulatory domainのミスセンス変異である。PKCGは脳と脊髄、特に小脳ハプルキニエ細胞や顆粒細胞に発現している遺伝子である。今後、モデル動物作成などにより、PKCGの変異がどのような機序で小脳変性をきたすのか、引き続き検討する予定である。
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Research Products
(7 results)
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[Publications] 佐々木秀直: "脊髄小脳変性症の臨書像と鑑別診断"日本医事新報. 4119. 16-24 (2003)
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[Publications] 矢部一郎: "Spinocerebellar ataxia type 6 (SCA6)の臨床像についての再考"脳神経. 55. 299-306 (2003)
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[Publications] Sasaki H: "The hereditary spinocerebellar ataxias in Japan"Cytogenetic and Genome Research. 100. 198-205 (2003)
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[Publications] 矢部一郎: "フリードライヒ病"総合リハビリテーション. 31. 445-450 (2003)
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[Publications] Yabe I: "Positional Vertigo and Macroscopic Downbeat Positioning Nystagmus in Spinocerebellar Ataxia Type 6 (SCA6)"J Neurol. 250. 440-443 (2003)
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[Publications] Li M: "Physical map and haplotype analysis of 16q-linked autosomal dominant cerebellar ataxia (ADCA) type III in Japan"J Hum Genet. 48. 111-118 (2003)
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[Publications] Yabe I: "Spinocerebellar ataxia type 14 caused by a mutation in protein kinase C gamma"Arch Neurol. 60. 1749-1751 (2003)