2003 Fiscal Year Annual Research Report
脳アミロイドアンギオパチーの分子病態および治療法開発に関する研究
Project/Area Number |
14370203
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
山田 正仁 金沢大学, 医学系研究科, 教授 (80191336)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
内木 宏延 福井大学, 医学部, 教授 (10227704)
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Keywords | 脳アミロイドアンギオパチー / アミロイドβ蛋白(Aβ) / アルツハイマー病 / 脳血管障害 / 高齢者 / 遺伝子多型 / 危険因子 / Aβ線維分解薬 |
Research Abstract |
脳アミロイドアンギオパチー(CAA)の分子病態を解明し、それに基づき、臨床診断法の確立および予防・治療法を開発することを目的に以下の検討を行った。 (1)CAA臨床例の解析 高齢者剖検例およびCAA臨床例を対象に、臨床および病理学的評価、アミロイド関連遺伝子の検索、髄液および血漿中のアミロイド関連蛋白の検索を行い、CAAに関連する病態およびそのリスクを解析した。CAAとアミロイドβ蛋白(Aβ)分解酵素であるネプリライシンの遺伝子多型との関連を検討したところ、CAAとネプリライシン遺伝子多型の間に関連を認めた。これはAβ分解酵素の多型がCAAに影響することを示唆する初めての報告である。さらに、わが国におけるCAAの実態を解明する目的で、CAAに関する第1次全国調査を初めて実施し、CAAに関連する脳出血が過去5年間に755例存在することなどを明らかにした。今後、これらの患者の臨床、分子病態(髄液中Aβレベルなど)のデータを統合的に解析していく予定である。 (2)試験管内βアミロイド線維形成・分解系による実験モデルの構築とそれを用いた予防・治療薬の探索 試験管内のアミロイドβ(Aβ)蛋白のアミロイド線維形成系を用いた解析で、赤ワイン関連ポリフェノールがAβ線維形成抑制作用ばかりでなく既成のAβ線維の分解作用を有し、Aβ線維の細胞毒性を有意に軽減することを明らかにした。 (3)CAA動物実験モデルを用いた予防・治療薬の開発 in vivoで抗Aβ薬(Aβ蛋白線維形成阻害・分解促進薬)の効果の検討する目的で、Aβ型CAAを呈するトランスジェニックマウス(APPswe)に対し、抗Aβ薬の予防的投与、治療的投与を実施中である。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] Yamada M, et al.: "Association of neprilysin polymorphism with cerebral amyloid angiopathy"J Neurol Neurosurg Psychiatry. 74. 749-751 (2003)
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[Publications] Ono K, ---, Yamada M.: "Potent anti-amyloidogenic and fibril-destabilizing effects of polyphenols in vitro : Implications for the prevention and therapeutics of Alzheimer's disease"J Neurochem. 87. 172-181 (2003)
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[Publications] 山田正仁: "脳アミロイドアンギオパチー"神経内科. 58・Suppl3. 1052-1060 (2003)
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[Publications] 山田正仁: "脳アミロイドアンギオパチーとシスタチンC"臨床検査. 47. 899-902 (2003)
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[Publications] 小野賢二郎, 山田正仁: "Aβの分解過程に関与する酵素の分子生物学と酵素作用。エンドセリン変換酵素(ECE)"日本臨床. 61(増刊号9). 46-48 (2003)
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[Publications] 山田正仁: "脳の老化と神経変性疾患ーアルツハイマー型痴呆を中心にー"老年精神医学. 14. 999-1007 (2003)