2002 Fiscal Year Annual Research Report
細胞内シグナル伝達制御による筋ジストロフィー治療の基礎的研究
Project/Area Number |
14370212
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Research Institution | Kawasaki Medical School |
Principal Investigator |
砂田 芳秀 川崎医科大学, 医学部, 教授 (00240713)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大沢 裕 川崎医科大学, 医学部, 講師 (80246511)
市川 弥生子 川崎医科大学, 医学部, 講師 (90341081)
村上 龍文 川崎医科大学, 医学部, 助教授 (30330591)
後藤 雄一 国立精神・神経センター, 神経研究所・疾病研究第2部, 部長(研究職) (20225668)
貫名 信行 理化学研究所, 脳科学総合研究センター・病因遺伝子研究グループ, ディレクター(研究職) (10134595)
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Keywords | 筋ジストロフィー / シグナル伝達 / トランスジェニックマウス / モデル動物 / カベオリン |
Research Abstract |
我々は筋ジストロフィーにおける筋細胞変性死のメカニズムに細胞内シグナル伝達機構が関与するとの作業仮説に基づいて、骨格筋細胞膜におけるシグナル伝達制御分子であるcaveolin-3に着目し、筋ジス発症における役割に関する研究を展開してきた。本研究の目的は、独自に開発した筋ジストロフィーモデル動物変異caveolin-3トランスジェニック(Tg)マウスを用いて、筋変性における細胞内シグナル伝達異常を詳らかにし、シグナル伝達を制御することにより筋ジストロフィー治療法の基盤を確立することにある。本年度はcaveolin-3欠損マウスにおける筋変性死に関連してどのようなdeath signalやsurvival signalが働いているのか、DNA arrayを用いて変異caveolin-3トランスジェニックマウス骨格筋における遺伝子発現プロフィールを解析した。 4週齢と24週齢の野生型マウス及びTgマウス骨格筋よりpolyA^+RNAを単離してbiotin化cRNAプローブを作製し、約36,000クローンをカバーする理研マウスESTのGene chipを用いて発現に差異のある病態関連候補遺伝子群を同定した。Tgマウスで213個の上方制御遺伝子と142個の下方制御遺伝子を拾い上げた。これらの病態関連候補遺伝子の中で、現在ノーザンブロット解析により有意な発現増加が確認されたのは、アポトーシス関連分子としてCOXVI-aL, CIDE-A, Dad-1,ribophorins I&II、細胞周期調節分子としてp53,p21である。一方、RXR_γは有意な発現低下を認めた。これらの結果から、(1)変異caveolin-3による筋ジストロフィーの発症過程にはアポトーシスが関与し、アポトーシス抑制遺伝子であるdad-1の発現増加を認めたことから、今後抗アポトーシス治療への応用の可能性が考えられる。(2)caveolin-3欠損筋細胞においては細胞周期が抑制されている病態が示唆された。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] Sunada, Y. et al.: "Deficiency of a 180-kDa extracellularmatrixproteininFukuyamatype congenital muscular dystrophy skeletal muscle"Neuromuscular Disorders. 12・2. 117-120 (2002)
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[Publications] Hase, A. et al.: "Characterization of parkin in bovine peripheral nerve"Brain Research. 930・1-2. 143-149 (2002)
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[Publications] Murakami, T. et al.: "Full-length dystrophincDNAtransferintoskeletalmuscleofadult mdx mice by electroporation"Muscle & Nerve. 27・2. 237-241 (2003)