2003 Fiscal Year Annual Research Report
細胞内シグナル伝達制御による筋ジストロフィー治療の基礎的研究
Project/Area Number |
14370212
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Research Institution | Kawasaki Medical School |
Principal Investigator |
砂田 芳秀 川崎医科大学, 医学部, 教授 (00240713)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
萩原 宏毅 川崎医科大学, 医学部, 講師 (80276732)
市川 弥生子 川崎医科大学, 医学部, 講師 (90341081)
村上 龍文 川崎医科大学, 医学部, 助教授 (30330591)
後藤 雄一 国立精神・神経センター, 神経研究所・疾病研究第2部, 部長(研究職) (20225668)
貫名 信行 理化学研究所, 脳科学総合研究センター・病因遺伝子研究グループ, ディレクター(研究職) (10134595)
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Keywords | 筋ジストロフィー / シグナル伝達 / トランスジェニックマウス / カベオリン / nNOS / eNOS / 肥大型心筋症 |
Research Abstract |
我々は筋ジストロフィーにおける筋細胞変性死のメカニズムにおける細胞内シグナル伝達異常の関与を明らかにするため、骨格筋細胞膜におけるシグナル伝達制御分子caveolin-3に着目し、筋ジス発症における役割に関する研究を展開してきた。独自に開発した筋ジストロフィーモデル動物変異caveolin-3トランスジェニック(Tg)マウスを用いて、骨格筋変性にはnNOS活性の上昇が関与する可能性を見いだした。一方、心筋肥大や、心筋収縮のメカニズムにおいても、NOSが、極めて重要な役割を担っていることが、明らかになってきている。そこで、変異caveolin-3 Tgマウス心筋の形態学的解析を行ったところ肥大型心筋症を発症することがわかったので、caveolin-3欠損による心筋肥大の分子機構の解析を行った。 Tgマウスでは、(1)心筋重量/体重比が、4週齢から有位に上昇(p<0.05)。(2)左室壁と心室中隔の肥厚と左室内腔の狭小化。心筋線維の肥大があり、心筋線維径は有位に上昇(p<0.05)。心肥大マーカーであるANP, BNP遺伝子発現は上昇。心エコー上、駆出率は上昇していた。(3)心筋組織のcaveolin-3 mRNAは過剰発現する一方で蛋白発現は著明に低下(<95%)。Caveolin-3蛋白質は、筋形質膜でなく、細胞質に局在。(4)心筋組織のNOSアイソフォームの遺伝子発現、蛋白発現にも差異はないが、全NOS活性は、約50%上昇し、これは主としてeNOS活性の上昇によることを明らかにした。骨格筋とは対照的に、心筋においては、caveolin-3欠損によるeNOS活性の上昇が心筋肥大シグナルに関与している可能性がある。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] Takeda, S. et al.: "Fukutin is required for maintenance of muscle integrity, cortical histiogenesis and normal eye development"Human Molecular Genetics. 12・12. 1449-1459 (2003)
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[Publications] Toda, T. et al.: "Fukuyama-type congenital muscular dystrophy (FCMD) and alphadystroglycanopathy"Congenit Anom Kyoto. 43・2. 97-104 (2003)
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[Publications] Murakami, T. et al.: "Conduction block of varicella zoster virus neuropathy"Neurology. 61・8. 1153-1154 (2003)
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[Publications] Ohsawa, Y. et al.: "Overexpression of P104L mutant caveolin-3 in mice develops hypertrophic cardiomyopathy with enhanced contractility in association with increased endothelial nitric oxide synthase activity."Human Molecular Genetics. 13・2. 151-157 (2004)