2004 Fiscal Year Annual Research Report
細胞内シグナル伝達制御による筋ジストロフィー治療の基礎的研究
Project/Area Number |
14370212
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Research Institution | Kawasaki Medical School |
Principal Investigator |
砂田 芳秀 川崎医科大学, 医学部, 教授 (00240713)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
村上 龍文 川崎医科大学, 医学部, 助教授 (30330591)
萩原 宏毅 川崎医科大学, 医学部, 講師 (80276732)
貫名 信行 理化学研究所, 脳科学総合研究センター・病因遺伝子研究グループ, ディレクター(研究職) (10134595)
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Keywords | 筋ジストロフィー / シグナル伝達 / トランスジェニックマウス / カベオリン / マイオスタチン / Smad2 |
Research Abstract |
変異caveolin-3トランスジェニック(Tg)マウスは、我々が作出した常染色体優性肢帯型筋ジストロフィーLGMD1Cのモデルマウスで、骨格筋caveolin-3の欠損と著明な筋萎縮を特徴とする。一方、myostatinは、骨格筋特異的transforming growth factor-β(TGF-β)superfamilyで、骨格筋量のnegative regulatorである。最近caveolin-1がTGF-β1の細胞膜受容体に結合しその下流のシグナルを強力に挿制することが報告され、caveolinとTGF-β superfamilyのsignal crosstalkが注目されている。そこで、myostatin prodomainを過剰発現させたTgマウスと変異caveolin-3 Tgマウスを交配し二重トランスジェニック(double Tg)マウスを作出し、myostatinの生理的活性阻害蛋白質であるmyostatin prodomainによりcaveolin-3欠損ミオパチーが改善するか否か検討した。 double Tgでは、変異caveolin-3 Tgで認められた筋萎縮がほぼ野生型まで改善した。骨格筋量回復は著明な筋線維数増加(hyperplasia)と軽度の筋線維サイズの増加(hypertrophy)によることが明らかとなった。またdouble Tg骨格筋ではmyostatin prodomain蛋白の過剰発現が確認された。機能的にも、生後4週齢から握力は野生型を上回るまで著明に改善し、走力も完全に回復していた。交配により導入したmyostatin prodomainによるmyostatin活性阻害により、caveolin-3欠損マウスの筋萎縮および筋力低下はほぼ正常に回復した。この結果からmyostatin阻害はcaveolin-3欠損による筋萎縮には有効な治療法であることが示された。
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Research Products
(2 results)