2002 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
14370214
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Research Institution | National Center of Neurology and Psychiatry |
Principal Investigator |
山村 隆 国立精神・神経センター, 免疫研究部, 部長 (90231670)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
三宅 幸子 国立精神・神経センター, 免疫研究部, 室長 (50266045)
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Keywords | 多発性硬化症 / 糖脂質 / NKT細胞 / Th1 / Th2 / OCH / IL-4 / 脱髄 / 自己免疫 |
Research Abstract |
研究代表者らは、NKT細胞の新たな糖脂質リガンドであるOCHによって、多発性硬化症の動物モデル実験的自己免疫性脳脊髄炎(EAE)が治療できることを示している。本プロジェクトでは、OCHによるEAE治療の分子メカニズムの解析と、OCHのヒトNKT細胞に対する活性の研究を平行して進めた。初年度は、OCHのスフィンゴシン鎖またはアシル化脂肪鎖のどちらかを短くしたアナログを10種類合成し、マウスNKT細胞に対する活性を比較する実験を開始した。また、健常者末梢血単核細胞のsingle cell sortingによってNKT細胞クローンを複数樹立することに成功し、OCHおよびそのひな形リガンドであるアルファ・ガラクトシルセラミド(alpha-GC)に対する反応性を比較した。本年度は、特にヒトNKT細胞クローンの解析に進展が見られた。樹立されたNKT細胞クローンは、CD4陰性のクローンと、CD4陽性のクローンに分類された。CD4陰性のクローンはalpha-GCに対して強い増殖反応を示し大量のサイトカインを産生したが、OCHに対してはまったく反応しなかった。一方、CD4陽性のクローンはalpha-GCとOCHの両者に反応した。興味深いことに、OCH刺激ではCD4陽性NKT細胞によるIL-5やIL-10の産生がalpha-GC刺激による場合に比べて相対的に高まった。この結果は、OCHがマウスだけでなくヒトにおいてもTh2偏倚を誘導できることを意味し、多発性硬化症の治療薬として検討に値することを支持する。
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Research Products
(7 results)
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[Publications] Gumperz J.E.: "Functionally distinct Subsets of CD1d-restricted natural Killer T cells revealed by CD1d tetramer staining"The Journal of Experimental Medicine. 195. 625-636 (2002)
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[Publications] Araki M: "Th2 bias of CD4^+ NKT cells derived from multiple sclerosis in remission"International Immunology. 15. 279-288 (2003)
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[Publications] Yamamura T: "Synthetic glycolipids as potential therapeutics for autoimmune disease"Current Topns in Medicinal Chemistry. (印刷中).
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[Publications] 荒木 学: "多発性硬化症におけるNK細胞、NKT細胞の関与"神経内科. 56. 312-318 (2002)
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[Publications] 宮本 勝一: "糖脂質による自己免疫病の制御"感染・炎症・免疫. 32. 200-201 (2002)
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[Publications] 山村 隆: "NK-NKT細胞による実験的自己免疫性脳脊髄炎(EAE)の発症制御"蛋白質核酸酵素. 47. 1115-1120 (2002)
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[Publications] 三宅 幸子: "Annual Review免疫2003"NKT細胞糖脂質リガンドによる自己免疫性疾患制御. 7 (2002)