2003 Fiscal Year Annual Research Report
心血管細胞特異的なp53制御因子が血管病の形成に果たす役割の解明
Project/Area Number |
14370218
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Research Institution | Gunma University |
Principal Investigator |
倉林 正彦 群馬大学, 医学部, 教授 (00215047)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
新井 昌史 群馬大学, 医学部, 講師 (60270857)
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Keywords | CARP / SRF / 転写因子 / 動脈硬化 / TGFβ / コファクター |
Research Abstract |
プラーク内における血管平滑筋細胞(VSMC)は未分化であり、炎症性サイトカインを分泌し、周辺のVSMCや内皮細胞、リンパ球を活性化することによって炎症の正のフィードバックループを形成する。したがってVSMCの分化・脱分化のメカニズムを解析することは、血管炎症の遷延化の機序を明らかにする上で重要である。本研究ではp53制御因子CARPおよびSerum Response Factor(SRF)の機能を解析することにより、VSMCの分化調節メカニズムを明らかにすることを目的とした。未分化型VSMCから分化型VSMCへの変換を促進する因子としてTGFβが重要であり、TGFβはSmadのリン酸化をおこすことは以前から知られていたが、平滑筋細胞の遺伝子発現への詳細な効果は不明であった。本研究によってTGFβはSRFの遺伝子発現を転写レベルで増加させた。また、TGFβはCARP遺伝子の発現も転写レベルで増加させた。CARPはSRFによるVSMC遺伝子の転写活性化をさらに促進させた。さらにCARPとSRFは直接に結合することも明らかとした。これまでmyocardin, TCFなどがSRFのコファクターとして同定されているが、CARPが同様の性質を持つことはこれまでに報告がない。CARPが動脈硬化巣に発現する因子であること、SRFは「細胞の増殖」と「細胞の分化」という2つの相反する細胞の運命を調節する転写因子としてこれまで注目されていることを考え合わせると、SRFの調節する機能をCARPが有することの発見の意義は大きい。
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[Publications] Niwano K et al.: "Transcriptional stimulation of the eNOS gene by the stable ------"Circulation Research. 93. 523-530 (2003)
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[Publications] Ishibashi T et al.: "Integral role of RhoA activation in monocyte adhesion-triggered ----"Arterioscler osis, Thrombosis, and Vascular Biology. 23. 681-687 (2003)
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[Publications] Takizawa T et al.: "Transcription factor Sp1 regulates SERCA2 gene expression -----"Journal of Molecular and Cellular Cardiology. 35. 777-783 (2003)