2002 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
14370221
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
磯部 光章 東京医科歯科大学, 大学院・医歯学総合研究科, 教授 (80176263)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
天野 純 信州大学, 医学部, 教授 (20138283)
小林 靖 東京医科歯科大学, 医学部附属病院, 助手 (70225548)
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Keywords | 移植 / 心臓 / 平滑筋 / 動脈硬化 / 内膜肥厚 / 慢性拒絶 / 副刺激 / T細胞 |
Research Abstract |
(1)egr-1アンチセンスの効果:移植心動脈硬化モデルの病理を検討したところ、肥厚内膜に著明なegr-1の発現を認めた。Egr-1に対するアンチセンス遺伝子導入を移植直前に移植心内に行ったところ、4週後の内膜肥厚は有意に抑制された。またマウス大動脈平滑筋を培養して、拒絶心を持つマウスより得た活性化リンパ球と混合培養を行ったところ、平滑筋の増殖が認められ、その増殖がegr-1アンチセンスにより抑制されることが明かとなった(論文投稿中) (2)MMPの関与:移植心冠動脈モデルで、MMPの発現を詳細に検討した。内膜増殖部位でMMP2、MMP3、MMP9などの発現亢進が認められた。このデータをもとに、MMP2リボザイムを移植心に移植直前に導入する実験を行ったところ、内膜増殖の抑制が認められた。このことから、移植心冠動脈硬化へのMMPの関与が明かとなり、治療の標的としての可能性が示唆された。(Cardiovasc Res,56:472-478,2002) (3)免疫寛容導入:急性拒絶における副刺激の役割とその阻害による寛容導入を検討する目的で、ICOS Ig、抗ICOS抗体を移植マウスに投与した、それぞれ単独では生着の延長がみられるものの、寛容は得られなかった。しかし、CTLA4Igとの併用投与を行ったところ、それぞれの単独投与で得られない生着延長がみられ(100日以上)、かつ皮膚移植によるチャレンン試験で、この免疫抑制が抗原特異的な免疫寛容であることが示された。混合リンパ球培養による阻害実験でも支持的な結果が得られた。(Transplantation, in press) (4)cre/loxPを組み込んだCTLA4Igの産生ベクターを作成した。今後マウスに投与することで寛容導入と過剰な免疫抑制の調節が可能であるか否かについて検討を行う。 (5)ミニブタを用いた慢性拒絶の実験系を確立した。今後遺伝子治療の効果を検討する。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] Tsukioka K: "Expression of matrix metalloproteinases in cardiac allograft vasculopathy and attenuation of it by anti MMP-2 ribozyme gene transfection"Cardiovasc Res. 56. 472-478 (2002)
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[Publications] Kosuge H: "The induction of immunological tolerance to cardiac allograft by simultaneous blockade of inducible co-stimulator (ICOS) and CTLA4 pathway"Transplantaion. (in press).