2004 Fiscal Year Annual Research Report
心臓におけるRhoキナーゼ・シグナルの機能と病態との関連
Project/Area Number |
14370223
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Research Institution | Mie University |
Principal Investigator |
伊藤 正明 三重大学, 医学部附属病院, 講師 (00223181)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吉田 恭子 (今中 恭子) 三重大学, 医学部, 講師 (00242967)
大西 勝也 三重大学, 医学部, 助手 (40343222)
鈴木 昇 三重大学, 生命科学研究支援センター, 助教授 (00202135)
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Keywords | Rhoキナーゼ / 心臓 / Rho / ミオシンホスファターゼ / MYPT1 / MYPT2 |
Research Abstract |
1.Myosin Phosphatase Target Subunit 2(MYPT2)はタイプ1ホスファターゼ触媒サブユニット(PP1c)と共に心筋ミオシンホスファターゼ(MP)ホロ酵素を構成している。生化学的解析により、MYPT2は活性型RhoAと結合し、さらにRhoキナーゼによってThr646がリン酸化され、このリン酸化は、MP活性を阻害することが明らかとなった。培養心筋細胞において、アデノウイルスベクターによるMYPT2とPP1cの過剰発現は、Angiotensin II(Ang II)によるサルコメア再構築を抑制した。AngIIによるサルコメア再構築にはRho/Rhoキナーゼが関与していることから、MPはRho/Rhoキナーゼ・シグナルと拮抗する分子と考えられた。 2.MYPT2の心筋特異的トランスジェニックマウス(MYPT2-TG)のフェノタイプ解析を行った。2系統のMYPT2-Tgにおいて、左心室径の拡大と駆出率や短縮率の低下が共通して認められ、MPの過剰発現は心機能を低下させることが確認された。心筋スキンドファイバーを用いた検討で、Tgマウスの心筋は野生型と比較して収縮のCa^<2+>感受性の低下が認められた。Tgマウスでは、トロポニンIのリン酸化、ミオシン軽鎖キナーゼの発現レベルは野生型と変化ないことより、MPの過剰発現によるミオシン軽鎖リン酸化レベルの低下がCa^<2+>感受性低下を引き起こしていると結論された。以上より、Rho/Rhoキナーゼ・シグナルと拮抗するMPは、心筋においてその心収縮力を制御するシグナルであることがin vivoで明らかとなった。 3.Rhoのグアニンヌクレオチド変換因子(GEF)であるLARGの活性型フラグメントのコンディショナルトランスジェニックマウス(LARG-Tg)は3系統作製され、今後Creマウスと掛け合わせることでそのフェノタイプを解析していく予定である。MYPT1コンディショナルノックアウトマウスについては、ヘテロマウスまで作製を終了し、今後そのフェノタイプ解析を引き続き行っていく予定である。
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Research Products
(7 results)