2003 Fiscal Year Annual Research Report
AIE-75遺伝子:粘膜上皮細胞の分化発達と刷子緑形成に関わる分子の発現制御機構
Project/Area Number |
14370237
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Research Institution | HOKKAIDO UNIVERSITY |
Principal Investigator |
小林 邦彦 北海道大学, 大学院・医学研究科, 教授 (60091451)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
窪田 満 北海道大学, 医学部・歯学部附属病院, 医員
小林 一郎 北海道大学, 医学部・歯学部附属病院, 医員
川村 信明 北海道大学, 医学部・歯学部附属病院, 講師 (90301879)
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Keywords | 自己免疫性 / AIE-75遺伝子 / プロモーター / 遺伝子発現制御 |
Research Abstract |
我々が自己免疫性腸症関連自己抗原として単離したautoimmune enteropathy-related 75 kDa antigen(AIE-75)は,小腸・腎近位尿細管の刷子縁および内耳上皮細胞に発現され,その遺伝子の変異はUsher症候群Ic型を引き起こす。一方AIE-75は大腸癌細胞株で発現を認めるが、AIE-75を発現しない細胞にこれを強制発現させると形質転換を起こす。さらに,AIE-75の結合パートナーとして,癌抑制遺伝子産物MCCとホモロジーの高いMCC2が同定されている事から,AIE-75が細胞増殖に何らかの影響を持つことが考えられる.AIE-75の発現制御機構を解明する目的で,AIE-75遺伝子の上流領域の転写活性を検討した。まずAIE-75の発現に関与するシス領域を同定する目的で、21エクソンからなるAIE-75遺伝子の全長とその上流領域約10kbを含むPACクローンを得た。種々の解析よりAIE-75遺伝子の翻訳開始点は転写開始点から+97bp,プロモーター領域は転写開始点の上流203bpと推測された.次いで,ルシフェラーゼアッセイ用のレポーターベクターpGL3basicにプロモータ領域(-203)から翻訳開始点(+97)までをルシフェラーゼ遺伝子とin-frameとなるように組み込んだconstruct(pGL-300)を作製し、さらに,転写開始点より上流-121bpから転写開始点を含むpGL-212,およびpGL-212のうち-63から-9までの54塩基対を欠く(pGL-212δ)constructを作製た。これらをNIH3T3細胞およびAIE-75の発現が確認されている大腸癌細胞株KM12に形質導入し,ルシフェラーゼアッセイを行ったところ,転写活性はpGL-300>PGL-212δ>pGL-212の順に強いことがわかった.このpGL-212δの欠失部には転写制御因子GCF結合モチーフが含まれており,GCFによる発現制御を受けている可能性が示唆された。
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[Publications] Tanaka H, et al.: "Immune dysregulation, polyendocrinopathy, enteropathy, X-linked syndrome without extraintestinal symptoms in a Japanese infant with a novel mutation of FOXP3 gene"Acta Pediatr. 93. 142-143 (2004)
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[Publications] Nieves DS, et al.: "Dermatologic and Immunologic Findings in the Immune Dysregulation, Polyendocrinopathy, Enteropathy, X-linked Syndrome"Arch. Dermatol.. (In press).