2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
14370238
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Research Institution | Hirosaki University |
Principal Investigator |
伊藤 悦朗 弘前大学, 医学部, 教授 (20168339)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
土岐 力 弘前大学, 医学部, 講師 (50195731)
高橋 良博 弘前大学, 医学部, 助手 (10333725)
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Keywords | ダウン症候群 / TMD / 急性巨核球性白血病 / GATA1 / Bach1 / 転写因子 |
Research Abstract |
ダウン症に見られる類白血病状態(TMD)の原因遺伝子を明らかにし、ダウン症の白血病発症の機構を明らかにするために研究を行い、平成16年度は以下のことが明らかとなった。 1.TMD症例における原因候補遺伝子の変異の解析 TMDの候補遺伝子であるBACH1の遺伝子変異の解析を、臨床検体およびダウン症候群の急性巨核球性白血病細胞株を用いて行なった。しかし、BACH1遺伝子に変異は検出されなかった。現在、新たなTMDの候補遺伝子GATA2などについての解析を進めている。 2.GATA-1遺伝子変異による白血病発症の仕組みの解明 変異GATA-1による細胞増殖分化への影響を解析するために、RNAi法を用いて変異GATA-1遺伝子の発現をノックダウンすることに成功した。前年度は、RNAiのCMK細胞への導入効率がまだ不十分であるため、遺伝子導入法の改良し、エレクトロポレーションを用いることにより変異GATA-1の発現量を約1/10に抑えることが可能となった。また、発現ベクターを用いてRNAiを恒常的に発現するCMK細胞株を樹立した。しかし、充分変異GATA-1の発現が抑制された細胞株はまだ確立されていない。 3.ダウン症の白血病モデルマウスの作成 BACH1トランスジェニックマウスとGATA-1ノックダウンマウスとのかけ合わせを行い、得られたマウスの解析を進めている。また、巨核球分化の障害の仕組みを解析するために、受精後13.5日のマウス胎児から肝を採取し、トロンボポイエチン存在下に巨核球を大量培養する実験系を確立した。FACSを用いた解析の結果、BACH1トランスジェニックマウスの巨核球は、endomitosisが障害されていることが明らかとなった。さらに、血小板造血に不可欠なp45 NF-E2転写因子の標的遺伝子の発現が特異的に抑制されていることが明らかとなった。
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Research Products
(6 results)