2002 Fiscal Year Annual Research Report
熱性けいれんの発現機序の解明に関する神経生理学的・分子生物学的研究
Project/Area Number |
14370241
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
飯沼 一宇 東北大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (80004927)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宗形 光敏 東北大学, 医学部附属病院, 助手 (30312573)
横山 浩之 東北大学, 医学部附属病院, 助手 (40271952)
萩野谷 和裕 東北大学, 大学院・医学系研究科, 助教授 (00208414)
呉 繁夫 東北大学, 大学院・医学系研究科, 助教授 (10205221)
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Keywords | 熱性けいれん / Na^+チャネル / K^+チャネル / チャネル以上 / パッチクランプ / 電位依存性 |
Research Abstract |
近年熱性けいれんやある種のてんかんで同定されている遺伝子異常が電位依存性Na^+チャネルαあるいはβサブユニットをコードしていることが明らかにされたことを受け、本研究ではNa^+チャネルの異常が何故に発熱(細胞温度上昇)によって興奪性を呈するのかをパッチクランプ手法により検討することを主目的としている。初年度は研究代表者および研究分担者が習熟しているパッチクランプ技術を研究協力者に習熟させることから開始した。先ず、生後14-21日齢のラット神経細胞を幼若蛋白分解酵素処理によって単離し、単離神経細胞標本を作成し、それに対してKCl-nystatin電極内液を用いて穿孔パッチクランプ法により電位変動を観察した。保持膜電位を-25mVに固定し、phenylethylamine (PEA)を投与した結果得られる内向き電流を観察した。この内向き電流について、過分極パルスに対する電流変動はPEA投与によって減少した。この電流応答はPEAに対する濃度依存症が認められた。このことはPEAにより膜抵抗が増大したと考えられた。すなわち通常、絶えず流れている外向き電流を抑制した結果生じる見かけの内向き電流であることが示唆された。保持膜電位を-25mVに固定し、10〜80mVの過分極パルスをPEA投与前後に加えた。時間依存性を持たない成分と持つ成分がともに抑制された。またPEA投与前で時間依存性電流成分は-75〜-85mV付近で時間依存性を持たない成分と逆転した。このような電位依存性はM電流の特性と一致した。PEAは時間、電位依存性を持たないカリウム電流と時間、電位依存症を持つM電流の少なくとも二種のカリウム電流を抑制すると考えられた。
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