2004 Fiscal Year Annual Research Report
ゲノム情報と発現プロファイルを用いた転座関連遺伝子による腫瘍化の分子機構の解析
Project/Area Number |
14370242
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
井田 孔明 東京大学, 医学部附属病院, 助手 (60313128)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小林 美由紀 東京大学, 医学部附属病院, 講師 (60205391)
康 勝好 東京大学, 医学部附属病院, 助手 (50359618)
林 泰秀 群馬県衛生環境研究所, 技師 (30238133)
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Keywords | 遺伝子 / ゲノム / バイオテクノロジー / マイクロアレイ / 白血病 / MLL |
Research Abstract |
今年度はMLLの新しい転座相手遺伝子としてMYO1F(染色体19p13)を単離した。この遺伝子は28のexonからなり1098アミノ酸をコードしており、N末にはATP結合シークエンスとアクチンシークエンスからできていた。4kbの転写産物がヒトのほとんどの組織でみられたが、22白血病細胞株中3株でしか発現がみられなかった。以上より、MLLの転座相手としては興味深い相手であり、今後詳細な解析を行う予定である。さらに転座型急性リンパ性白血病(ALL)の新鮮検体を用いて、転座の相手による発現の相違をAffymetrix社のDNA Chip(12,600プローブ)により解析を行い、t(1;19)、t(12;21)、11q23転座が発現プロファイルによって鑑別可能であった。MLL再構成のある21検体中予後による発現パターンの相違がみられ(p=0.01)、CBF2遺伝子が予後良好群で、CDP遺伝子が予後不良群で高発現を示した。また21例で共通して発現が高かったFLT3遺伝子の異常を小児急性骨髄性白血病150例で検討したところ、15%に変異がみられ、予後と相関しており、今後予後因子になりうることが判明した。MLL再構成例の共通の標的遺伝子および転座相手の相違によるMLLのキメラ遺伝子の下流の標的遺伝子の相違を探索するため、これらの遺伝子を詳細に検討し、共通する下流遺伝子をしぼる作業を進めている。また昨年単離したMLL-SEPT6融合cDNAを導入した細胞をマウスに移植したところ、骨髄増殖性症候群がみられたが、白血病はみられず、これに加えてFLT3 duplicationを導入すると増殖が著明になり白血病化した。白血病化するには転座に加えてさらにもう一つヒットが必要であることが判明した。
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Research Products
(6 results)