2002 Fiscal Year Annual Research Report
Wiskott-Aldrich症候群責任遺伝子WASPと会合する新規分子の解析
Project/Area Number |
14370243
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
梶原 道子 東京医科歯科大学, 医学部附属病院, 助手 (40280979)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
野々山 恵章 防衛医科大学校, 小児科, 教授
峯岸 克行 東京医科歯科大学, 大学院・医歯学総合研究科, 助手 (10343154)
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Keywords | WASP / CIB / Integrin / Wiskott-Aldrich症候群 / 血小板 |
Research Abstract |
Wiskott-Aldrich症候群原因遺伝子WASPとCIB(calcium integrin binding protein)が会合することを見いだした.CIBはintegrin αIIbβ3に結合すると、そのfibrinogenに対する親和性を増加させる。しかし、WASPとCIBが結合した状態では、αIIbβ3の活性化が抑制された。すなわち、WASPはCIBの持つαIIbβ3活性化作用を阻害する。さらにWASPは静止状態の血小板内でCIBと結合しているが、血小板をADPで刺激すると、CIBとの結合が離れる。 以上のとから、血小板が刺激されると、PI3knaseが活性化され、血小板膜上でPIP2が蓄積し、その結果PIP2がWASPと結合して、CIBがWASPから解離して、αIIbβ3の細胞内領域と結合する。これが、αIIbβ3の活性化を引き起こす、と考えられる。 そこで、変異WASPが、正常WASPよりもαIIbβ3の活性化を起こせないことを示す目的で、WASPのPH domainに変異を持つWAS患者の血小板でのαIIbβ3の活性化に異常があることを、αIIbβ3の活性化型を認識するPAC抗体を用いて検討し、活性化が起きないか検討した。その結果、患者および正常血小板をADPで刺激し、PAC発現をFACSで検討し、PH domainにmissense mutationを持つXLT患者の血小板が、接着因子の活性化障害があることを確認できた. 以上のことより、WASPはCIBに結合してその活性化、局在を決定しており、CIBのαIIbβ3の細胞内領域との結合を調節していること、その結果,WASPはαIIbβ3の活性化を調節していること,Wiskott-Aldrich症候群患者で見られる血小板機能異常は,この接着因子活性化障害が関与していることを明らかにした。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] Inoue, H., Kurosawa, H., Nonoyama.S., et al.: "X-linked thrombocytopenia in a girl"Brit. J. Haematol. 118. 1163-1165 (2002)
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[Publications] Kawai S, Minegishi M, Ohashi Y, Sasahara Y, Kumaki S, Konno T, Miki H, Derry J, Nonoyama S, et al.: "Flow cytometric determination of intracytoplasmic Wiskott-Aldrich syndrome protein in peripheral blood lymphocyte subpopulations"J.Immunol.Methods. 260. 195-205 (2002)
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[Publications] Ito I, Ishida T, Hashimoto T, Atita M, Osawa M, Mishima M, Nonoyama S.: "Hyper IgM syndrome with systemic tuberculosis"Scand. J. Infect. Dis.. 34. 305-307 (2002)