2002 Fiscal Year Annual Research Report
Rett症候群の動物モデルにおける分子基盤の確立と遺伝子治療に関する研究
Project/Area Number |
14370255
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Research Institution | Kurume University |
Principal Investigator |
松石 豊次郎 久留米大学, 医学部, 教授 (60157237)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小戝 健一郎 岐阜大学, 医学部・遺伝子治療・再生医学, 助教授 (90258418)
古賀 靖敏 久留米大学, 医学部, 助教授 (00225400)
永光 信一郎 久留米大学, 医学部, 助手 (30258454)
高嶋 幸男 国際医療福祉大学, 大学院, 教授 (70038743)
近藤 郁子 愛媛大学, 医学部・衛生学, 教授 (20110489)
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Keywords | Rett症候群 / 神経伝達物質 / 神経修飾因子 / Methyl-CpG-binding protein2 / モデル動物 / 遺伝子治療 / 再生医学 |
Research Abstract |
ヒトおよびモデル動物のRett症候群(RTT)で、臨床症状と神経伝達物質(サブスタンス P、ドーパミン、ノルアドナリン、セロトニン)やβ-フェニルエチラミンなどの神経修飾因子との関連および遺伝子変異部位との関連性を研究した。Methyl-CpG-binding protein 2(MECP2)の変異は検索した133名の患者さんで約80%のRTTの患者さんに認められ、T158M変異は典型的に多く、R133Cは軽症で有意味語を持つPreserved speech variantに多くみられた。RTT患者では脳脊髄液(CSF)のβ-フェニルエチラミンが低下していた。RTT患者の脳を用いた神経病理学的検索ではチロシン水酸化酵素の免疫染色性は青斑核で低下し、トリプトフアン水酸化酵素は縫線核で低下、サブスタンスP、メチオニンエンケファリンも著明に低下し呼吸障害、自律神経症状との関連が考えられた。現在Methyl-CpG-binding protein 2(MECP2)-null mutationモデル動物をJackson Laboratoryから購入し、X/Y(ヘミの雄)は発症し、呼吸異常、下肢のclaspingを認めている。またメスのヘテロX-/Xも神経症状を発現している。現在、脳病理組織を保存し、コントロールマウスと比較検討中である。今後遺伝子治療も開始予定でMECP2遺伝子を発現するアデノウイルスベクター(Ad. CMV-MECP2)はすでに作成した。またマウスのES細胞からの神経細胞分化誘導係においてMECP2遺伝子の役割、分子機能を分子生物学的手法で解析予定である。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] Helen ML, Matsuishi T: "Patients with R133C MECP2 mutations : is their phenotype different from what we expect in Rett syndrome?"Journal of Medical Genetics. (In press). (2003)
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[Publications] Kusaga A, Yamashita Y, Matsuishi T: "Increased urine phenylethylamine after methylphenidate treatment in children with ADHD"Annals of Neurology. 52. 371-374 (2002)
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[Publications] 松石豊次郎, 山下裕史朗: "Rett症候群 臨床徴候と遺伝子異常の相関-画像、臨床生化学からみた病態-"脳と発達. 34. 207-210 (2002)
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[Publications] 松石 豊次郎: "言葉の遅れ 今日の治療指針"医学書院. 893-894 (2002)