2003 Fiscal Year Annual Research Report
UVB誘導性トレランスにおけるDectin-2の役割の検討
Project/Area Number |
14370263
|
Research Institution | Kinki University |
Principal Investigator |
荒金 兆典 近畿大学, 医学部, 講師 (40232045)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松下 記代美 近畿大学, 医学部, 助手 (10330284)
|
Keywords | 中波長紫外線 / 接触過敏反応 / トレランス / 調節型T細胞 |
Research Abstract |
本年度の研究計画においては、中波長紫外線(UVB)誘導性の免疫学的トレランスを介在する調節型T細胞(Tr)の治療応用の可能性を検討した。従来、Trは接触過敏反応(CHS)の誘導相は阻止するが、惹起相には影響を及ぼさないと考えられている。そこで、DNFB特異的Trを既にDNFBによる感作が成立している同系マウスにトランスファーし、同ハプテンで惹起反応を行った。しかし、惹起反応は抑制を受けず従来の定説(Trは惹起相を抑制しない)が正しいかに思われた。しかし、左記のTrを既に感作が成立したマウスの耳介に投与し同一ハプテンで惹起したところCHSの惹起は顕著に抑制された。この結果はTrが惹起相を抑制しうることを示す。以上の2つの結果に基き、Trは惹起相において抗原特異的effector T細胞と異なった局在をする可能性を推察した。事実、耳介に局所投与されたTrはハプテン塗布(惹起)によりIL-10を放出することがRT-PCR法により確認された。さらに、左記の耳介へ直接Trを投与する系において、抗IL-10中和抗体の投与によりTrのCHS惹起相抑制効果は解除された。さらにマウスのリンパ節・脾臓よりT細胞を分離しFACS解析を行ったところ、UVBにより誘導されるTrは皮膚へのホーミング受容体であるP-もしくはL-selectinを低頻度に表現するのみであり、皮膚へのホーミング能を欠如している可能性が示唆された。一方、感作のみを行ったマウス(effector T細胞を持つ)のT細胞は充分量のP-、L-selectinを表現している一方L-selectinは低頻度に表現しているのみであった。 以上の結果は、昨年度の研究計画で我々が明らかにしたUVB誘導性のTrの性格付け(dectin-2に特異的結合能を持つ)をさらに一歩進めるものであり、アレルギー性皮膚疾患をTrを用い治療するという将来的目標に近づけるものである。
|
Research Products
(4 results)
-
[Publications] Yamazaki F, Aragane Y, et al.: "Overactivation of IL-4-induced activator protein-1 in atopic dermatitis."J Dermatol Sci. 28. 227-233 (2002)
-
[Publications] Maeda A, Matsushita K, Yamazaki F, Kawada A, Tezuka T, Aragane Y.: "Terfenadine antagonism against interleukin-4-modulated gene expression of T cell cytokines."J Invest Dermatol. 121. 490-495 (2003)
-
[Publications] Aragane Y, Maeda A, Schwarz T, Tezuka T, Ariizumi K, Schwarz T.: "Involvement of dectin-2 in ultraviolet radiation-induced tolerance."J Immunol. 171. 3801-3807 (2003)
-
[Publications] Schwarz A, Maeda A, Wild MK, Kernebeck K, Gross N, Aragane Y, Beissert S, Vestweber D, Schwarz T.: "Ultraviolet radiation-induced regulatory T cells not only inhibit the induction but can suppress the effector phase of contact hypersensitivity."J Immunol. 172. 1036-1043 (2004)