2002 Fiscal Year Annual Research Report
PET製剤を用いた腫瘍・炎症鑑別に関する基礎的研究とその応用
Project/Area Number |
14370265
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
塚本 江利子 北海道大学, 大学院・医学研究科, 助教授 (40201636)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中駄 邦博 北海道大学, 大学院・医学研究科, 助手 (00301010)
久下 裕司 北海道大学, 大学院・医学研究科, 寄附講座教員 (70321958)
玉木 長良 北海道大学, 大学院・医学研究科, 教授 (30171888)
森田 浩一 北海道大学, 医学部附属病院, 医員 (20210172)
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Keywords | 腫瘍 / 感染症炎症 / 非感染症炎症 / ステロイド / グルコーストランスポータ / ヘキソキナーゼ / ARG / FDG |
Research Abstract |
1)肝櫛モデルラットにおいて、オートラジオグラフィ(ARG)の手法を用いて、腫瘍組織内のFDG分布と腫瘍組織内局所のグルコーストランスポータ(GLUT)及びヘキソキナーゼ(HK)発現との関係を比較検討した。ARG上、腫瘍組織のFDG分布は不均一で、中心部腫瘍組織のFDG集積が一番高く、周辺部腫瘍組織の1.6倍、腫瘍細胞のnecrotic/apoptotic部の2.3倍となり、腫瘍組織の周辺部筋肉のFDG集積は極めて低かった。同じ腫瘍組織の隣接切片の免疫染色において、中心部腫瘍組織のGLUT-1、-3、HK-IIの発現が周辺部腫瘍組織より有意に高かった。以上の結果から、腫瘍内FDGの不均一性分布にはGLUT-1、-3及びHK-IIの発現が関与するだろうことが推定された。この成果を平成15年の米国核医学会に投稿中である。 2)肝癌モデルラット・ブドウ球菌、テレピン油による感染性及び非感染性炎症モデルラットを用いて、腫瘍、炎症組織のFDG集積に及ぼすステロイドの影響を比較検討した。本実験には2種類のshort acting-Dexamethasoneとlong acting-Prednisoloneのステロイドを使用した。腫瘍モデルにおいて、2種類のステロイド前処置によって、血糖値は多少増加したが、FDG集積には有意な変化が認められなかった。しかし、2種類のステロイド前処置によって、FDG集積は非感染性炎症モデルとも、対照の約70%に低下した。両炎症のFDG集積には有意差が認められなかった。結論として、炎症へのFDG集積に及ぼすステロイドの影響が腫瘍より若干大きかった。本研究結果によって、臨床上すでにステロイド治療を受けた患者のFDG-PET検査において、腫瘍へのFDG集積に及ぼすステロイドの影響が小さいだろうと推定される。この成果を平成15年の米国核医学会に投稿中である。
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Research Products
(1 results)
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[Publications] Zhao S.Kuge Y, Tsukamoto E, et al.: "Fluorodeoxyglucose uptake and glucose transporter expression in experimental inflammatory lesions and malignant tumors : effects of insulin and glucose loading"Nuclear Medicine Communications. 23. 545-550 (2002)