2002 Fiscal Year Annual Research Report
ポジトロン断層法を利用した脳内ドーパミン分泌の迅速的画像化に関する研究
Project/Area Number |
14370268
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
伊藤 正敏 東北大学, サイクロトロン・RIセンター, 教授 (00125501)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山口 慶一郎 東北大学, サイクロトロン・RIセンター, 助手 (40210356)
岩田 錬 東北大学, サイクロトロン・RIセンター, 教授 (60143038)
石井 慶造 東北大学, 大学院・工学研究科, 教授 (00134065)
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Keywords | ドーパミン / PET / パーキンソン病 / 定位脳手術 / ネモナプリド |
Research Abstract |
脳内のドーパミンD_2受容体機能の人による定量を確立し、それを指標として内因性ドーパミンの定量を目的とした。本年度においては、高純度^<11>C標識放射性薬剤製造技術の開発に成功(岩田担当)し、^<11>C標識放射性薬剤の連続複数回合成法を確立した。この方法を使用してパーキンソン病(PD)患者における三次元定位淡蒼球電気刺激/手術がもたらすドーパミン伝達系のダイナミックな変化を観察することに成功した。すなわち、筋硬直を主徴とする6人のパーキンソン病患者においては、[^<11>C]nemonaprideの淡蒼球おける結合能が対照群に比較して27%増加、視床においては、29%低下している状態であったが淡蒼球手術によって、正常に復することができた。また、この変化の程度は、Unified PD Rating Scale (UPDRS)のスコアと正に相関することが判明した(Nakajima T, Nimura T, Yamaguchi K, Ando T, Itoh M, et al. 2003)。先行研究によれば、慢性PDにおいて[^<11>C]racloprideの結合能は、正常範囲とされているが、我々の結果は、nemonapride結合能が増加していることが示された。これは、PDの病因である内因性ドーパミンの欠乏が慢性期においてもD_2受容体をup regulationしていることを意味している。この変化は、[^<11>C]racloprideのような結合能の比較的に弱い薬剤では検出し得ないものであろう。本研究は、なお、予備的状況にあるが、淡蒼球手術がPDにおける病態を正常化する可能性を患者において示すことができたといえる。今後、このような変化が内因性ドーパミンとどのように関連するかを研究する予定である。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] Nakajima T, Nimura T, Yamaguchi K, Ando T, Itoh M, et al.: "The impact of stereotactic pallidal surgery on the dopamine D2 receptor in Parkinson disease : a positron emission tomography study"J. Neurosurg. 98・1. 57-63 (2003)
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[Publications] Okamura N, Arai H, Maruyama M, Hirai H, Chiba H, Itoh M, et al.: "Combined analysis of CSF Tau levels and [^<123>I] Iodoamphetamine SPECT in mild cognitive impairment : Implications for a novel predictor of Alzheimer's Disease"Am. J. Pshchiat. 159・3. 474-476 (2002)
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[Publications] Tagawa, M., Kano, M., Okamura, N., Higuchi, M., Matsuda, M., Mizuki, Y.: "Differential cognitive effects of ebastine and (+)-chlorphenilamine in healthy subjects : correlation between cognitive impairment and plasma drug concentrations"Br. J. Clin. Pharmacol. 53・3. 429-438 (2002)
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[Publications] Mochizuki H, Tashiro M, Tagawa M, Kano M., Itoh M., et al.: "The effects of a sedative antihistamine, d-chlorphenilamine, on visuomotor spatial discrimination and regional brain activity as measured by positron emission tomography (PET)"Hum. Psychopharmacol Clin. Ecp.. 17・10. 413-418 (2002)
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[Publications] 四月朔日聖一, 石井慶造, 伊藤正敏, 織原彦乃丞: "陽電子断層撮影装置(CTI : PT931/01-12)の信頼性"核医学. 39・2. 155-160 (2002)