2002 Fiscal Year Annual Research Report
生体内フリーラジカル計測用ESR-NMRハイブリッド画像システムの開発
Project/Area Number |
14370282
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Research Institution | Fukushima Medical University |
Principal Investigator |
土橋 宣昭 福島県立医科大学, 医学部, 助教授 (20005474)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
尾形 健明 山形大学, 工学部, 教授 (50091830)
森谷 浩史 福島県立医科大学, 医学部, 助教授 (60145638)
宍戸 文男 福島県立医科大学, 医学部, 教授 (60250114)
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Keywords | ESR / CW-NMR / フリーラジカル / 画像 / in vivo / パルスNMR / スピンエコー / FID信号 |
Research Abstract |
本研究の目的は、フリーラジカルの分布画像を形態画像に重畳することによって、フリーラジカルの存在部位を特定するために、測定試料を動かさずに,ESR画像とNMR画像を取得するためのシステムを構築することである。今年度は、ESR信号およびNMR信号取得を重点目標として研究を行った。 ESR共振器には内径41mm、軸長10mmループギャップ共振器(共振周波数730MHz)を作製し、NMR共振器には内径60mm軸長10mmソレノイドからなるLC共振回路(共振周波数27Mhz)を作製して、ESR共振器をNMR共振器の内側に配置した。ESR測定には既存の装置を用い、内径25mm円筒状ファントム(ニトロキシドラジカル生理食塩水溶液)を測定した結果、従来のESR共振器のみの測定に比べて大きく感度を損なうことなく測定が可能であった。パルス-NMR測定の静磁場とRFの発生にはESR用の装置を用い、RF検出回路は新たに作成した。これは、NMRパルス照射用のアナログ乗算器と電力増幅器、NMR受信信号の前置増幅器、この増幅器を保護する水銀リレー、周波数変換のためのミキサから構成され、クアドラチャ検出が可能である。パルス-NMR計測に先立ち、NMR周波数に相応する磁場強度の決定のために、VSWRブリッジと位相検出器を用いてCW-NMR計測を行なう。パルス-NMRとCW-NMR計測の切り替えは同軸リレーで行なえるようになっている。パルス-NMR計測にはスピンエコー法を用いた。このような構成でファントムのパルス-NMR計測を行い、FID信号とエコー信号を計測することができた。また、磁場勾配を加えることにより、FID信号を抑制し、エコー信号のみを取り出せることも確認した。
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[Publications] 土橋 宣昭: "小動物用in vivo電子スピン共鳴装置の開発とその応用"福島医学雑誌. 52・4. 327-337 (2002)
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[Publications] 尾形 健明: "電子スピン共鳴(ESR)分析法"薬科機器(やげん). 2003・162. 4-8 (2003)
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[Publications] M.Kamatari, H.Yasui, T.Ogata, H.Sakurai: "Local Pharmacokinetic Analysis of a Stable Spin Probe in Mice by In Vivo L-band ESR with Surface-coil-type Reosonator"Free Radical Research. 2002・36. 1115-1125 (2002)