2003 Fiscal Year Annual Research Report
ナノパーティクルを利用したがん内用放射線療法の研究開発
Project/Area Number |
14370285
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Research Institution | Teikyo University |
Principal Investigator |
梅田 泉 帝京大学, 薬学部, 講師 (40160791)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
荒野 泰 千葉大学, 大学院・薬学研究院, 教授 (90151167)
西郡 秀夫 帝京大学, 薬学部, 教授 (90050517)
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Keywords | ナノパーティクル / がん治療 / 内用放射線療法 / リポソーム / モノクローナル抗体 / 尿中排泄 / センチネルリンパ節 / ポリエチレングリコール |
Research Abstract |
本年度は以下の3項を中心に検討を進めた。 1.静脈投与によるがん転移巣へのターゲティング 放射性核種のキャリアとしてリポソームを用い、その表面にがん関連抗体およびポリエチレングリコール(PEG)を結合させて標的指向性を検討した。標的として皮下に移植した固形がんとがん新生血管内皮細胞に特異的に発現する抗原を検討した。PEG修飾により肝臓、脾臓への非特異的集積を大幅に低減することができた。また抗体をリポソーム表面に直接ではなく、PEGの先端に結合させることにより、内皮細胞表面抗原に対して集積の有意な増大が認められた。一方でPEG修飾はリポソームの血中滞留時間を延長することから、逆に内部被ばくの増大につながる可能性もあり、その使用にはさらに工夫が必要と考えられた。 2.尿中排泄促進を目的としたリガンドの開発 上記(1)で血中滞留が問題となったことから、標的部位に集積させた後に、血中残存放射活性を腎臓経由で尿中に積極的に排泄させることを企画した。放射性核種に対する配位子として、腎臓刷子縁膜酵素の作用で開裂して核種の尿中排泄を誘導するものをデザイン、合成した。ここでは抗体フラグメントにこの配位子を介して直接放射性核種を結合し、その体内動態を検討した結果、尿中排泄への誘導が認められた。今後、リポソーム等のキャリアとの組合せを検討の予定である。 3.センチネルリンパ節へのターゲティング がん転移を有効に抑制する手段としてのセンチネルリンパ節ターゲティングを目的として、本年度は予備的な検討を行った。従来のコロイド製剤では粒子径が大きく、投与部位に大半が残存してしまうことから、投与部位からすみやかにセンチネルリンパ節に移行し、かつ2次リンパ節への流出の少ないナノ粒子を得ることを目指し、リポソームや血清アルブミン、マンノース結合アルブミン等で検討を進めている。
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