2002 Fiscal Year Annual Research Report
転写因子TELによる造血制御機構と白血病発症機構の解析
Project/Area Number |
14370308
|
Research Institution | Dokkyo Medical University |
Principal Investigator |
三谷 絹子 獨協医科大学, 医学部, 教授 (50251244)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
牧 和宏 獨協医科大学, 医学部, 助手 (50337391)
和賀 一雄 獨協医科大学, 医学部, 講師 (00285917)
中村 裕一 獨協医科大学, 医学部, 講師 (20227896)
|
Keywords | TEL / ERK / ETS / リン酸化 / 転写因子 / 白血病 / 12p13 |
Research Abstract |
12p13転座の標的遺伝子TELは、ETSファミリーの転写制御因子をコードする。TELは核内リン酸化蛋白質であるが、リン酸化による機能制御については不明である。今回ERKによるリン酸化依存性のTELの機能制御について検討した。正リン酸ラベルの実験により、TELはERKの活性化に伴い誘導性にリン酸化されることを証明した。主なリン酸化部位はSer257であった。TELはin vitroでERKと会合し、ERKにより直接的にリン酸化された。高リン酸化型TELは本来低リン酸化型TELが有するETS結合部位を介する転写抑制能を失っており、しかも低リン酸化型TELの機能をドミナント・ネガティブに抑制した。この効果の分子基盤はDNA結合能を失った高リン酸化型TELが低リン酸化型TELとヘテロダイマーを形成することによると考えられた。高リン酸化型TELは低リン酸化型TELが有する赤芽球分化の促進効果及び線維芽細胞の増殖抑制効果に対してもドミナント・ネガティブ効果を発揮した。さらに、内因性TELのリン酸化状態を検討した。MEL細胞をヘミンで赤芽球に分化誘導すると内因性ERKは高リン酸化型から低リン酸化型にへ移行したが、内因性TELもこれにほぼ平行して高リン酸化型から低リン酸化型へ移行した。さらに、H-Rasで形質転換したNIH3T3細胞と形質転換していないNIH3T3細胞を比較すると、前者で内因性ERK及びTELはより強くリン酸化されていた。以上の結果は、TELの分子生物学的・細胞生物学的機能がERKによって生理的に制御されていることを示唆するものである。
|
Research Products
(6 results)
-
[Publications] Izutsu, K.: "The t(3;21) fusion product, AML1/Evi-1 blocks AML1-induced transactivation by recruiting CtBP"Oncogene. 21. 2395-2703 (2002)
-
[Publications] Tsurumi, S.: "N-ras and p53 gene mutations in Japanese patients with myeloproliferative disorders"Am J Hematol. 71. 131-133 (2002)
-
[Publications] Arai, H.: "Functional regulation of TEL by p38-induced phosphorylation"Biochem Biophys Res Comm. 299. 116-125 (2002)
-
[Publications] Imai, Y.: "Mutational analyses of the AML1 gene in patients with myelodysplastic syndrome"Leuk & Lymph. 43. 617-621 (2002)
-
[Publications] Waga, K.: "Leukemia-related transcription factor TEL accelerates differentiation of Friend erythroleukemia cells"Oncogene. 22. 59-68 (2003)
-
[Publications] Nakamura, F.: "Monocytic leukemia with CALM/AF10 rearrangement snowing mediastinal emphysema"Am J Hematol. 72. 138-142 (2003)