2002 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
14370323
|
Research Institution | Kyorin University |
Principal Investigator |
清水 淑子 杏林大学, 保健学部, 教授 (50255410)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田村 高志 杏林大学, 保健学部, 講師 (70146554)
松田 貴雄 九州大学, 生体防御医学研究所, 助手 (10304825)
工藤 純 慶應義塾大学, 医学部, 専任講師 (80178003)
八巻 明子 杏林大学, 保健学部, 助手 (40296546)
|
Keywords | ダウン症 / SIM2 / DSCR4 / 転写調節 / 恒常発現細胞 / 定量RT-PCR / 核移行シグナル / CpGアイランドメチル化 |
Research Abstract |
1.ダウン症関連遺伝子SIM2,DSCR4遺伝子プロモーター解析と転写調節遺伝子の同定:T98Gグリオブラストーマを用いてプロモーター推定領域を含む欠失変異体や推定シスエレメントの突然変異体を作成し、デュアルルシフェラーゼアッセイやゲルシフトアッセイによりc-myb様シスエレメント及びCAATシスエレメントがSIM2転写の促進に関与していることを明らかにした。c-myb遺伝子恒常発現細胞株を樹立し、定量的RT-PCR法によってc-myb遺伝子の発現の上昇と共にSIM2遺伝子の発言の上昇を認めた。DSCR4遺伝子発現陽性絨毛癌由来細胞JEG3,BeWoを用いて転写開始点付近を含む上流2kbの領域の欠失変異体を作製し上記と同様たプロモーターを同定した。OLF1結合配列が転写に重要であることを示した。2.SIM2蛋白の細胞内局在、核移行シグナル:SIM2cDNAの完全長や各ドメインごとのGFP融合蛋白を作製し、HeLa細胞にトランスフェクションし、蛍光顕微鏡や共焦点レーザー蛍光顕微鏡下で観察を行った。核移行に必要十分な最小領域はアミノ酸367-389番目の領域であった。この領域に存在する8個の塩基性アミノ酸の部位特異的変異体を検討したところ、367番目のアルギニンと373番目のリジンをグリシンに変異した場合核局在はみられなかった。現在論文準備中である。3.SIM2蛋白と相互作用する蛋白の同定:SIM2遺伝子恒常発現細胞株を樹立した。SIM2ペプチド抗体を作製し、特異性を検討した。現在この細胞と抗体を用いてSIM2蛋白とヘテロニ量体を形成する相手側の蛋白の同定を試みている。4.SIM2蛋白のターゲット遺伝子群の同定:SIM2遺伝子強制発現細胞株と親細胞から抽出したRNAを用いてデイファレンシャルデイスプレイ法を行った。差が見られたバンドをクローニングし、60個余りの候補遺伝子を見い出した。現在更に発現を解析中である。5.CpGアイランドにおけるメチル化の状態と発現調節:SIM2遺伝子のエキソン1とその上流のプロモーター領域にわたって存在しているCpGアイランドのメチル化の状態を正常ヒト細胞とダウン症患者由来細胞由来のゲノムDNAを用いてPCRによって検討した。6.DSCR4タンパク、DSCR4オリゴペプチドに特異的な抗体を作製し、ヒト胎盤における分布と細胞における局在を検討した。
|