リアルタイムMR画像を用いた手術支援システムの開発-ナビゲーション外科の構築-

2002 Fiscal Year Annual Research Report

• Project/Area Number: 14370352
• Research Institution: Shiga University of Medical Science
• Principal Investigator: 来見 良誠 滋賀医科大学, 医学部, 助手 (70205219)
• Co-Investigator(Kenkyū-buntansha): 遠藤 善裕 滋賀医科大学, 医学部, 助手 (40263040) ; 森川 茂廣 分子神経科学研究センター, 助教授 (60220042) ; 谷 徹 滋賀医科大学, 医学部, 助手 (20179823) ; 花澤 一芳 滋賀医科大学, 医学部, 助教授 (80146406) ; 仲 成幸 滋賀医科大学, 医学部, 助手
• Keywords: ナビゲーション外科 / リアルタイムMR画像 / マイクロ波凝固療法 / オープンMR装置 / Microwave Surgery / MR温度画像 / 垂直型オープンMR

Research Abstract

研究の目的:オープンMR装置により、生体情報を可視化したリアルタイム画像を作成し、位置情報に温度や速度などの付加価値有するリアルタイムの情報を統合させた画像を利用して手術を施行するナビゲーション外科を構築する。このシステムを用いて、描出困難な腫瘍に対する治療を可能にするとともに、低侵襲治療への臨床応用を行うことを目的とする。
研究の経過:MR環境下におけるマイクロ波凝固装置による組織の凝固範囲をMR画像および組織標本で検討した。つぎに、マイクロ波凝固装置の特性を研究すると共に、ナビゲーション外科の基本となる各種ソフトウェアの開発を行ってきた。リアルタイムMR画像表示機能の開発によりもっとも単純なMR環境下手術が可能になった。その後、リアルタイム画像とそれに同期したバーチャル画像の同一画面表示を可能にし、空間ナビゲーション機能としてはきわめて高度な治療法を開発し、描出困難な腫瘍に対する治療も容易になった。さらに、リアルタイム温度画像表示機能・リアルタイム直交二面画像表示機能の開発により、手術中の内部変化のリアルタイム表示が可能になった。凝固範囲を色づけする「フット・プリンティング」機能を用いることにより、治療域の確認が可能になった。現在開発中の「シリンダービーム・ナビゲーション」機能は、治療法全体を誘導するシステムでこの概念がナビゲーション外科の到達点の一つとなっている。一方、付加価値情報のソフトウェア開発では、温度情報の可視化は可能になっており、今後この精度の向上をはかる。ナビゲーション外科の基本概念は徐々に構築されつつあると考える。

Research Products

• [Publications] Mukaisho K., Sugihara H., Tani T., Kurumi Y., Kamitani S., Tokugawa T., Hattori M.: "Effects of Microwave Irradiation on Rat Hepatic Tissue Evaluated by Enzyme Histochemistry for Acid Phosphatase"Digestive Diseases and Science. 47(2). 376-379 (2002)
• [Publications] Mukaisho K., Kurumi Y., Sugihara H., Naka S., Tsubosa Y., Moritani S., Endo Y., Hanasawa K., Morikawa S., Inubushi T., Hattori T., Tani T.: "Enzyme Histochemistry is Useful to Assess Viability of Tumor Tissue after Microwave Coagulation Therapy"Digestive Diseases and Science. 47(11). 2441-2445 (2002)
• [Publications] Morikawa S., Inubushi T., Kurumi Y., Naka S., Sato K., Tani T., Yamamoto I., Fujimura M.: "MR-Guided Microwave Thermocoagulation Therapy of Liver Tumors: Initial Clinical Experiences Using a 0.5 T Open MR System"Journal of Magnetic Resonance Imaging. 16. 576-583 (2002)
• [Publications] 谷 徹, 仲 成幸, 来見良誠, 遠藤善裕, 森川茂廣, 村田喜代史: "腹部病変に対するオープンMRIを用いたMicrowave Surgery"Radiology Frontier. 5(1). 31-36 (2002)
• [Publications] 来見良誠, 谷 徹, 仲 成幸, 遠藤善裕, 清水智治, 花澤一芳, 森川茂廣: "MR監視下肝腫瘍マイクロ波凝固療法"臨床消化器内科. 17(4). 523-528 (2002)
• [Publications] 仲 成幸, 来見良誠, 遠藤善裕, 花澤一芳, 森川茂廣, 谷 徹: "MRIガイド下における肝腫瘍治療"手術. 56(8). 1053-1059 (2002)
• [Publications] 谷 徹, 来見良誠, 森川茂廣: "腹部外科とナビゲーションサージェリー"手術. 56(10). 1451-1460 (2002)
• [Publications] 谷 徹, 来見良誠, 遠藤善裕, 仲 成幸: "仲垂直型オープンMRIを用いた癌治療"血液・腫瘍科. 44(3. 195-202 (2002)
• [Publications] 森川茂廣, 犬伏俊郎, 来見良誠, 仲 成幸, 谷 徹, 手塚 圭, Hasnine A Haque, 脇街道孝一: "マイクロ波出力と針状電極の形状による加温領域への影響-MR温度画像を用いた連続的モニタリング-"Journal of Microwave Surgery. 20. 27-33 (2002)
• [Publications] 森川茂廣, 犬伏俊郎, 来見良誠, 仲 成幸, 佐藤浩一郎, 椎野顕彦, 波多伸彦, Viswanathan Seshan, Hasnine A Haque: "リアルタイムMR画像ガイド下手術へのカスタマイズしたナビゲーションソフトウェアの統合"Journal of Japan Society of Computer Aided Surgery. 4(1). 27-33 (2002)
• [Publications] Morikawa S., Inubushi T., Kurumi Y., Naka S., Sato K., Tani T., Hata N., Viswanathan Seshan, Hasnine A Haque: "Technical Developments for MR-Guided Microwave Thermocoagulation Therapy of Liver Tumors"In T. Dohi and R. Kikinis (Eds.): Springer, Lecture Notes in Computer Science (LNCS) 2489: pp 52-59. 693 (2002)