2002 Fiscal Year Annual Research Report
星細胞機能制御に基づいた新しい肝切除周術期管理法の確立
Project/Area Number |
14370355
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
嶌原 康行 京都大学, 医学研究科, 助教授 (30196498)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山本 成尚 京都大学, 医学研究科, 助手 (30253298)
山岡 義生 京都大学, 医学研究科, 教授 (90089102)
河田 則文 大阪市立大学, 医学部, 講師 (30271191)
中村 肇 京都大学, ウイルス研究所, 助教授 (70303914)
寺嶋 宏明 京都大学, 医学研究科, 講師 (40314215)
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Keywords | 星細胞 / 肝切除 / チオレドキシン / 肝微小循環 / 生体顕微鏡 / ROCK / Rho kinase阻害剤 / 肝腺維化 / 急性肝不全 |
Research Abstract |
1.星細胞活性化とチオレドキシンとの関連の解明:星細胞活性化に対するチオレドキシンとの影響:正常マウス及びチオレドキシンを強発現するtransgenic mause (TRX TG mause)でチオアセトアミド肝硬変マウスを作成した。チオアセトアミド3カ月投与で正常マウスは肝線維化が著明となったが、TRX TG mauseでは線維化が抑制されていた。2.チオレドキシンの急性肝炎に対する効果の検討:正常マウスとTRX TG mauseにおいてチオアセトアミド200マイクログラム投与により急性肝障害(劇症肝炎モデル)を作成した。正常マウスと比し、TRX TG mauseではGOT, GPTの上昇が軽微であり生存率が有意に改善された。この投与量では、チオレドキシンの効果は肝細胞への抗酸化作用と抗アポトーシス作用によることが判明した。また、エンドトキシン・TNF投与モデルでも抗アポトーシス作用が明らかとなった。しかしながら、Fasモデルではチオレドキシンの効果は認められなかった。3.ROCK阻害剤Y-27632による星細胞活性化抑制効果及び肝虚血再潅流障害防止効果の検討:ラットにおいて、生体顕微鏡で肝虚血再潅流障害とY-27632による防止効果を検討した。20分のプリングル法にて肝血流遮断を行い、Y-27632投与群、非投与群で2時間まで類洞、中心静脈の血流を観察する。類洞径、perfusion rate(小葉構造内における血流の保たれている類洞数の割合)、類洞における血流速度、好中球の膠着状況を調べたが、Y27632は有意に肝微小循環を改善した。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] Okuyama-H: "Overexpression of thioredoxin prevents acute hepatitis caused by thioacetamide or lipopolysaccharide in mice"Hepatology. (印刷中).
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[Publications] Ikeda-F: "Reduction of ischemia/reperfusion-induced injury by a specific ROCK/Rho kinase inhibitor Y-27632"J Surg Res. (印刷中).
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[Publications] Shimahara-Y: "Significance of serum type IV collagens level of hepatectomized patients with chronic liver damage"World-J-Surg. 26(4). 451-456 (2002)
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[Publications] Uyama-N: "Regulation of Cultured Rat Hepatocyte Proliferation by Stellate Cells"Journal of Hepatology. 36. 590-599 (2002)
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[Publications] 宇山直樹: "星細胞による肝細胞増殖制御"炎症再生学会雑誌. 22. 481-487 (2002)