2003 Fiscal Year Annual Research Report
癌細胞のケモカイン発現プロファイルに基づく樹状細胞遺伝子治療の開発
Project/Area Number |
14370357
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Research Institution | Tottori University |
Principal Investigator |
辻谷 俊一 鳥取大学, 医学部, 助教授 (30188544)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
近藤 亮 鳥取大学, 医学部付属病院, 助手 (90304211)
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Keywords | 樹状細胞 / ケモカイン / 遊走能 / 消化器癌 / 細胞融合 |
Research Abstract |
腫瘍細胞は宿主の免疫監視機構から逃れるため巧妙に対応しており、癌治療を目的としたワクチン法の臨床応用のためにも、複数の抗原に対して抗腫瘍免疫を誘導することが重要であると考えられる。 そこで、ヒト胃癌細胞株MKN45と樹状細胞(dendritic cell : DC)の融合細胞を作成し、その機能について検討した。 HLA-A24(+)の健常人末梢血中の単球からGM-CSF, IL-4,TNF-alphaにて成熟DCを誘導した。細胞融合装置ECM2001を用い、成熟DCとMKN45(A24+,CEA+)の電気的な細胞融合は可能だった。融合細胞はDC由来のclass I, II分子や共刺激分子および腫瘍抗原を発現しており、proliferation assayにより抗原提示細胞としての機能を有することが確認された。この融合細胞により誘導された細胞障害性T細胞(CTL)はMKN45に対し特異的な細胞障害性をもち、また他の胃癌細胞株MKN1、メラノーマ細胞株888melをも障害した。これらの活性については共通の抗原が認識されているものと推測された。そこで腫瘍抗原ペプチドCEAに対する特異性についても検討したところ、MKN45に特異的なCTLはCEAを認識することが示された。 以上のことから、腫瘍細胞とDCの融合細胞により、標的細胞の特異抗原が同定されなくても腫瘍特異的なCTLを誘導が可能であり、DCを用いた癌の免疫療法において、細胞融合は非常に有効な手段であると考えられた。
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