2004 Fiscal Year Annual Research Report
乳癌におけるホルモン依存性関連遺伝子の選別および機能解析
Project/Area Number |
14370362
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Research Institution | Nagoya City University |
Principal Investigator |
岩瀬 弘敬 名古屋市立大学, 大学院・医学研究科, 助教授 (40211065)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山下 啓子 名古屋市立大学, 大学院・医学研究科, 講師 (70332947)
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Keywords | 乳癌 / ホルモン依存性関連遺伝子 / 転写共役因子 / AIB1 / NcoR1 / HDAC6 / IGFBP4 |
Research Abstract |
現在までにマイクロアレイ、エストロゲン受容体転写共役因子のなかから、ホルモン応答遺伝子の候補としてERα、ERβwt、ERβcx、PgR、AIB1、NcoR1、HDAC6,HDAC1,IGFBP4、IGFBP5が上げられている。これらの因子をmRNAレベルもしくは蛋白発現レベルで検討し、乳癌臨床例について臨床的重要性について検討している。 1)mRNA/cDNAの調整、マイクロダイセクション 再発乳癌のホルモン療法施行例で効果判定が確実に行われている症例、あるいは術前ホルモン療法を行い効果判定が確実に行われている症例の腫瘍からマイクロダイセクションにて腫瘍細胞のmRNAを抽出している。現在まで、前者で18例、後者で17例の抽出が済んでいる。将来的にはさらに症例を積み重ねたいと望んでいる。また、培養細胞としてはMCF-7、BT-20、BT-474、MDA-MB231のさまざまなホルモン状況に応じてストックされている、mRNAの抽出が行われている。 2)候補遺伝子のmRNA発現定量的解析 現在はホルモン依存性増殖機構から絞られた候補遺伝子に関して各乳癌組織や細胞系から抽出したmRNAを用いて、Real time RT-PCR法を用いてホルモン療法効果との関連、あるいは生物学的予後因子との関連、健存率や生存率などの予後との関連について調査中である。既知のホルモン依存性因子であるERα、PgRを除いて、ERβwt、ERβcx、AIB1、NcoR1、HDAC6などの定量が行われ、各因子における臨床乳癌症例でのホルモン療法の効果との関連についての差別化が示唆されており、有用性が指摘されている。 3)ERα、ERβwt、ERβcx、PgR、AIB1、NcoR1、HDAC6,HDAC1,IGFBP4、IGFBP5の蛋白発現解析 汎用性の高い免疫組織化学を用いて多数例により乳癌の予後因子あるいは効果予測因子としての重要性について検討している。現在までに上記の因子において蛋白発現解析がなされ、特にERβwt、HDAC6、ATBF1は予後良好因子としての証拠が得られている。また、NcoR1、HDAC1はホルモン療法効果予測因子として有用であり、さらに予後良好因子としても臨床応用できる。
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Research Products
(3 results)