2003 Fiscal Year Annual Research Report
膵管組織片から膵内分泌幹/前駆細胞の新生と膵ラ島に分化誘導可能な培養系の開発
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14370366
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Research Institution | St. Marianna University School of Medicine |
Principal Investigator |
窪田 倭 聖マリアンナ医科大学, 医学部, 教授 (20075500)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
長屋 昌樹 聖マリアンナ医科大学, 医学部, 助手 (90329300)
磯貝 晶子 聖マリアンナ医科大学, 医学部, 助手 (50318929)
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Keywords | 膵内分泌前駆細胞 / 膵管組織片 / PDX-1 / インスリン / グルカゴン |
Research Abstract |
前年度は我々の開発した熱可逆性ハイドロゲル(Thermoreversible gelation polymer.TGP)にて三次元培養するとラット膵管組織片から細胞が新生増殖した。しかし、新生細胞は未分化な幼若な細胞か、あるいは、CK-19陽性の膵管上皮様細胞が形成されるのみで、膵内分泌細胞への誘導はみられなかった。そこで今年度は、膵内分泌細胞への誘導には分化誘導因子に加えて細胞の接着が必要と推定し1)細胞接着を容易にするゼラチンを8%含有したTGPを合成し、分化誘導の有無を検討した。2)TGP培養後4〜6週目に新生細胞を培養皿底面に付着させ静置培養し分化誘導の有無を検討した。 エーテル麻酔下にて体重200g前後の雄性LewisまたはF344ラットを開腹し、すでに報告した方法で管組織片を10%TGP(ゼラチン8%含有)含有RPMI1640にHGF10ng/ml、KGF10ng/ml、nicotinamide10Mmを添加した培養液にて三次元培養した。その結果、従来のTGP培養に比して、細胞増殖は早く、細胞集塊も6週目で約500〜800μに達するも、形態学的にはPDX-1陰性、CK19陽性の幼若細胞であった。2)TGP三次元培養後4〜6週目に培養皿を冷却し、TGPを液化した。組織片・細胞集塊が培養皿底面に付着した後、TGP含有RPMI1640液を除去後、HGF40ng/ml、ブドウ糖400mg/dl、nicotinamide10Mm含有RPMI1640液にて静置培養した。その結果、組織片・細胞集塊から飛び石状に上皮様細胞からなる大きさ100μ前後の細胞集塊が形成された。培養6〜8週目にこの細胞集塊から細胞が脱着遊離し、培養液内に浮遊して大きさ50μ前後の細胞集塊が形成された。この細胞集塊はsomatostatin陽性、Insulin陰性、Glucogin陽性であった。PDX-1は弱いながらも染色された。このSomatostatin陽性細胞は膵内分泌細胞への一段階前の細胞と分化誘導置後では位置づけられているので、Insulin陽性細胞の分化誘導は可能である。
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