2003 Fiscal Year Annual Research Report
電気穿孔法を用いた消化器癌に対する集学的遺伝子治療の開発
Project/Area Number |
14370377
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
松原 久裕 千葉大学, 大学院・医学研究院, 講師 (20282486)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田川 雅敏 千葉県がんセンター, 研究局, 部長 (20171572)
軍司 祥雄 千葉大学, 大学院・医学研究院, 助教授 (60241957)
落合 武徳 千葉大学, 大学院・医学研究院, 教授 (80114255)
宮崎 信一 千葉大学, 医学部附属病院, 助手 (40334198)
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Keywords | 遺伝子治療 / in vivo電気穿孔法 / 消化器癌 / p53遺伝子 / 自殺遺伝子 / サイトカイン |
Research Abstract |
ウイルスベクターを用いないin vivo電気穿孔法のために導入する遺伝子として、これまでに抗腫瘍効果を認めたp53癌抑制遺伝子、IL-2,GM-CSFのサイトカイン遺伝子および自殺遺伝子治療のためのHerpes Simplex Virus- thymidine kinase(HSV-tk)遺伝子cDNAを作成その発現を確認した。さらにp53遺伝子の抗腫瘍効果を増強する目的にて、P53にネガティブフィードバックをかけるMDM-2の発現を抑制するp14遺伝子の有用性を確認した。さらに強力にMDM-2を直接抑制するためsi-RNAを作成、in vitroでの効果を確認した。今後in vivoでの実験を継続する。 in vivo電気穿孔のモデルとしてのVX-2腫瘍を気管支鏡を用いて直接ウサギの食道に接種することにより作成した食道腫瘍モデルについては実験継続中であり、サイトカイン遺伝子導入による発現解析、p53遺伝子導入による抗腫瘍効果を検討する。 また、胸腔鏡、腹腔鏡を含め実際の手術を考慮したヒト生体内での使用可能な電極の開発を行い試作品を完成した。ブタを使用し前臨床試験を予定している。 さらなる安全性の検討から低電位の電気穿孔も施行しており、マウス大腸癌細胞を用いたマウスモデルにてブレオマイシンの抗腫瘍効果を増強することが確認され、この系においては腫瘍免疫が惹起されることを確認し、in vivo電気穿孔法が遺伝子、抗癌剤に加えてそれ自体で免疫治療に有用であった。これらの組み合わせによりさらなる強力な癌の治療法となる可能性を認めた。 ヒト食道癌細胞皮下移植ヌードマウスモデルにおいて自殺遺伝子治療として、転写効率を増強するmidkineのミニプロモーターを用いることによる腫瘍特異的な治療開発を行い、食道癌モデルにおいても抗腫瘍効果を認めその有用性を確認した。 さらに新規サイトカインIL-21の遺伝子治療モデルを開発し、マウス同系モデルでの有用性を報告した。ヒト食道癌の系ではレトロウイルスベクターでのIL-21遺伝子導入は抗腫瘍効果が乏しかったが、in vivo電気穿孔では著明な抗腫瘍効果を認め、in vivo電気穿孔法の有用性を確認し現在論文投稿中である。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] Miyazaki S, Gunji Y, Matsubara H, Shimada H, Uesato M, Suzuki T, Kouzu T, Ochiai T.: "Possible Involvement of Antitumor Immunity in the Eradication of Colon 26 Induced by Low-Voltage Electrochemotherapy with Bleomycin."Surg Today. 33・1. 39-44 (2003)
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[Publications] Matsubara H, Ochiai T.: "Progress of gene therapy for esophageal cancer in Japan"Gan To Kagaku Ryoho. 30・7. 944-949 (2003)
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[Publications] Shimada H, Nabeya Y, Okazumi S, Matsubara H, Ochiai T., et al.: "Preoperative serum midkine concentration is a prognostic marker for esophageal squamous cell carcinoma."Cancer Sci.. 94・7. 628-632 (2003)
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[Publications] Ugai S, Shimozato O, Yu L, Wang YQ, Kawamura K, Tagawa M., et al.: "Transduction of the IL-21 and IL-23 genes to human pancreatic carcinoma cells produces natural killer cell-dependent and -independent antitumor effects."Cancer Gene Ther.. 10・10. 771-778 (2003)
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[Publications] Yu L, Ugai S, O-Wang J, Namba M, Matsubara S, Sakiyama S, Tagawa M. et al.: "Cell growth- and P53-dependent transcriptional activity of the midkine promoter confers suicide gene expression in tumor cells."Oncol Rep.. 10・5. 1301-1305 (2003)