2004 Fiscal Year Annual Research Report
胎児性幹細胞(ES細胞)由来神経幹細胞移植による神経再生
Project/Area Number |
14370436
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Research Institution | Kagawa University |
Principal Investigator |
松本 義人 香川大学, 医学部附属病院, 助手 (80311827)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
長尾 省吾 香川大学, 医学部附属病院, 教授 (60100947)
河井 信行 香川大学, 医学部附属病院, 講師 (40294756)
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Keywords | ES細胞 / コリン作動性神経細胞 / 神経幹細胞 / アルツハイマー病 / 移植治療 / 内側中隔核 / てんかん / GABA |
Research Abstract |
コリン作動性ニューロンを多く含むneurosphereをES細胞を分化誘導して作成した。このneurosphereをイボテン酸と言う神経毒をマウスの内側中隔核に投与して作成した記憶障害モデルの海馬CA1に移植した。移植後1ヵ月後に水迷路テストを用いて、コリン作動性ニューロンを多く含むneurosphereを移植したマウスでは、記憶障害の回復が確認できた。その結果をふまえ、よりアルツハイマー病モデルに近いモデルと思われるマイネルト核破壊による痴呆モデルを作成した。このモデルにはES細胞から分化誘導したコリン作動性ニューロンを多く含むneurosphereを大脳皮質に移植した。その評価は8方向迷路による行動実験と免疫組織学的検討で行った。行動実験では記憶障害が改善し、移植した細胞は神経細胞のマーカーであるHu抗体、コリン作動性ニューロンのマーカーであるChAT抗体、さらに神経回網の形成のマーカーとしてのsynaptophysin抗体などが陽性となり、神経幹細胞移植による記憶機能の回復が示唆された。さらにES細胞からGABAニューロンを多く含むneurosphereを作成し、てんかんモデルマウスの海馬に移植した。てんかん発作はRacine分類でstage0にまで改善し、免疫組織学的検討においても移植した細胞はGABA神経細胞に分化し移植部である海馬にシナプス形成していた。神経幹細胞移植によるてんかん発作の治療の可能性が示唆された。また、fluid percussion deviceを用い、脳外傷モデルも作成し、外傷と同側の海馬に神経幹細胞を移植した。外傷の最も強いモデルでは、神経幹細胞の定着が悪かったが、中等度以下のものでは定着がよく、行動実験においても改善が認められた。上記の結果を論文発表のため追試し、データの信頼性を高めることもできた。
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Research Products
(2 results)