2003 Fiscal Year Annual Research Report
MRI非侵襲的温度計側法を用いた脳腫瘍に対する新しい温熱治療システムの創生
Project/Area Number |
14370447
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Research Institution | Tokai University |
Principal Investigator |
松前 光紀 東海大学, 医学部, 助教授 (20209604)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
継 淳 東海大学, 医学部, 講師 (30266415)
儘田 佳明 東海大学, 医学部, 講師 (50266417)
黒田 輝 東海大学, 電子情報学部, 助教授 (70205243)
菊池 寛 第一製薬(株), 創剤代謝研究所, 主任研究員(研究職)
金田 通寛 スパークリングフォトン(株), 研究開発部, 部門長(研究職)
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Keywords | MRI / 温熱療法 / 化学療法 |
Research Abstract |
今回我々は、効率的な脳腫瘍に対する化学療法を確立するため、ステルスリポソームの開発を行った。まずわれわれは、37℃血漿中ではリポソーム内に封入されたDoxorubicin(DXR)はほとんど放出されず、45℃血漿中でのみ放出されるリポソームをまず調整開発することができた。さらにこのリポソームはラットの静脈内に投与すると、投与後24時間経過してもまだ約10%が血中に停滞を示しており、そのステルス性も証明された。<担癌ヌードマウスモデルにおけるリポソームの体内動態>ヒト大腸癌株をヌードマウス皮下に移植した動物モデルに対し、DXR封入リポソームを静脈内投与したところ、24時間経過しても肝臓にDXR総投与量の3-10%が残留分布しており(freeDXRを投与すると0.5%の肝臓内残留にすぎない)、そのステルス性が認められた。またわれわれが開発したステルスリポソームはコントロールリポソーム(ステルス性をもたないもの)に比べ、肝臓内DXR残留率は50%に、脾臓内DXR残留率は20%に抑えられており、さらに移植腫瘍組織内には約2倍のDXR濃度を示した。これは開発したリポソームがそのステルス性を十分発揮することの証明である。 本年度はさらに腫瘍に対する慢性実験をおこなった。Doxorubicin封入リポソームを投与後、温熱をかけ腫瘍の縮小を観察した。しかし辺縁温度が高すぎ、温熱治療翌日に腫瘍組織が脱落する現症を観察した。よって、加温する温度を低下させ更なる実験を計画した。またMRI造影剤であるガドリニュームをリポソームに封入して注射し、腫瘍組織を加温することにより、造影剤の組織内への流入を確認した。
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