2003 Fiscal Year Annual Research Report
カルパインによる特異的プロテオグリカン分解マーカー抗体の作成と臨床への応用
Project/Area Number |
14370460
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Research Institution | GIFU UNIVERSITY |
Principal Investigator |
清水 克時 岐阜大学, 医学部, 教授 (90170969)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
伊藤 芳毅 岐阜大学, 医学部附属病院, 助手 (10313884)
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Keywords | カルパイン / 関節軟骨 / プロテオグリカン / 関節炎 / モノクローナル |
Research Abstract |
われわれは現在まで,関節リウマチや変形性関節症などの病的関節において,滑膜や軟骨から関節液中に中性システインプロテアーゼであるカルパインが分泌され,In vitroにおいて強力なプロテオグリカン分解活性を持つことを報告し,カルパインが関節変性疾患において関節軟骨のマトリックス分解に関与することを生化学的に明らかにしてきた.さらに,カルパインによるプロテオグリカン切断部位の解析の結果,カルパインは関節軟骨マトリックス中のプロテオグリカンコア蛋白の特異的な部分を複数切断し,この切断部位のアミノ酸配列は他のマトリックス分解酵素による切断部位とは異なることが判明した. 今研究においてわれわれは,カルパインによるプロテオグリカンコア蛋白の特異的切断端のみを認識する抗体の作成に成功した.この独自に開発したモノクローナル抗体を用いて,分解された産物を特異的に検出解析することが可能となり,関節軟骨破壊にカルパインが関与することを証明した(現在海外論文投稿中)・本法の利点は酵素の産生を測定するに比して,阻害物質の影響を受けることなく,実際にin situで分解された産物を特異的に検出しうることにある. さらに,カルパインに対する特異的モノクローナル抗体と,われわれの開発したカルパインの分解産物を特異的に認識するモノクローナル抗体を用いて,牛軟骨組織培養系における炎症性サイトカインの影響を調べた.その予備実験の結果,炎症性サイトカインを添加することにより,細胞内から細胞外へ放出されるカルパインの量,そしてカルパインにより切断される細胞外基質(分解産物)の量は増加した. 今研究補助金によりわれわれは,カルパインの分解産物を特異的に認識するモノクローナル抗体の一つを開発し,カルパインが関節炎における関節軟骨破壊に実際に関与することを証明した。
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