2002 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
14370464
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
尾崎 敏文 岡山大学, 医学部附属病院, 講師 (40294459)
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Keywords | 骨軟部肉腫 / 染色体 / 遺伝子 / 比較ゲノムハイブリダイゼーション / CGH / 人種 / DNA / 増幅 |
Research Abstract |
日本人の骨軟部肉腫症例を用いて、比較ゲノムハイブリダイゼーション(CGH)法により、染色体の不安定性の研究を行っている。現在、悪性末梢神経鞘腫瘍(MPNST)、滑膜肉腫、悪性線維性組織球腫(MFH)の各症例を解析中である。 MPNST 6例全例に何らかの異常が認められた。平均変異数は、Gainが12個、lossが0.5個であった。High-level gainが重なったのは、5q22、6q13-16、11q21-22であった。1q、3q、4p、5q、6q、12q、15q領域に変異が好発する。これらは、従来の欧米施設からの報告と概ね同じ傾向であったが、6pや17番染色体の変異に関しては、少ない傾向であった。 滑膜肉腫では、14例中10例に変異が認められた。平均変異数は、gainが4.1個、lossが0.8個、SYT-SSX1を有する症例は3.9個、SYT-SSX2の症例は5.0個であった。また、単相型は6.8個、二相型は1.2個の平均変異数であった。High-level gainが重なったのは、1p31、8p、12qで、その総数は、単相型で25個、二相型では3個であった。再発腫瘍は変異数が多い傾向であった。 MFH12症例中、10例に変異が認められた。平均変異数は、gainが4.8個、lossが0.5個であった。特に1、7、12、19番染色体に変異が多く認められた。High-level gainが重なったのは1p24であった。 再発腫瘍では、原発病巣と比較して、変異数が増える傾向であった。各症例にいくつか特徴的な遺伝子・染色体変異が認められているが、疾患特異的な変化は未だ確認されていない。今後も症例数を加えその発見に勤める方針である。
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