2002 Fiscal Year Annual Research Report
臨床応用可能な新たな人工赤血球・人工酸素供与体の開発と応用に関する研究
Project/Area Number |
14370479
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
佐久間 一郎 北海道大学, 医学部附属病院, 講師 (40260393)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
富樫 廣子 北海道大学, 大学院・医学研究科, 助教授 (20113590)
吉岡 充弘 北海道大学, 大学院・医学研究科, 教授 (40182729)
藤井 聡 北海道大学, 医学部附属病院, 講師 (90291228)
福島 昭二 神戸学院大学, 薬学部, 助教授 (80248103)
仲井 邦彦 東北大学, 大学院・医学系研究科, 助教授 (00291336)
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Keywords | 人工赤血球 / ヘモクロビン修飾体 / 一酸化窒素 / 血小板凝集能 / 血小板粘着能 / ポリエチレングリコール / S-ニトロソヘモグロビン / パーフルオロカーボン |
Research Abstract |
人工赤血球として用いるヘモグロビン(Hb)修飾体では、一酸化窒素(NO)の消去による血圧上昇、血小板の活性化.・凝集亢進が惹起され、臨床応用上副作用として問題となる。これはHb分子中のヘムが、血管内皮細胞や神経終末より分泌されるNOの作用を消去するためであり、本研究では臨床応用可能な新たな人工赤血球として、Hb修飾体のSH基をS-ニトロソ(SNO)化し、NO供与能を有する新たなHb修飾体を開発することを企図した。また、最新式の乳化装置を用いることにより、粒子が均一で安定性が高く、生体適合性の向上したエマルジョンを用い、新規のパーフルオロカーボン製剤を開発し、その生体適合性、人工酸素運搬体、さらに人工臓器保存液としての有用性を評価し、臨床応用への可能性を検討した。 1.分子サイズの大きくすべくHbをPEG化したPEG-Hb、さらにそれをSNO化したSNO-PEG-Hbを作製した。 2.新規乳化機を用い、PFC用エマルジョンを開発し、新たなPFC製剤を創製した。 3.NO-PEG-Hbの臨床応用としてイヌの寄生虫性(バベシア)急性貧血への応用を企図し、PEG-Hbのある程度の有用性を確認した。 4.NO-PEG-Hbの臨床応用として、脳梗塞への応用を企図し、ラット2V0モデルでその有用性を確認した。 5.新規PFCを小児で人工心肺を行う際の血漿補助液として用い得るか否かに関し、イヌを用いたシュミレーション実験を行い、その有用性とアルブミン併用の必要性を確認した。 6.新規PFCを肝移植時の肝保護液、および心移植時の心臓保護液としての可能性を検索すべくシュミレーション実験を行い、その有用性を確認した。 7.新規PFCの心虚血再潅流障害への予防投与の有用性を確認した。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] 藤井 聡, 藤井ひとみ, 富樫廣子, 吉岡充宏, 仲井邦彦, 佐藤 洋, 佐久間一郎, 劔物 修, 北畠 顕: "ヘモグロビン系人工酸素運搬体の血小板に及ぼす影響と人工材料としての臨床応用の可能性"人工血液10(1). 10(1). 17-20 (2002)
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[Publications] 佐久間一郎, 北畠 顕: "人工赤血球.NOと病態"医学のあゆみ. 204(9). 631-635 (2003)
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[Publications] 藤井 聡, 藤井ひとみ, 富樫廣子, 吉岡充宏, 佐久間一郎, 仲井邦彦, 佐藤 洋, 北畠 顕, 劔物 修: "ヘモグロビン系人工酸素運搬体を用いた抗血栓性材料の開発"循環制御. 23(1). 31-34 (2002)
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[Publications] Kunihiko Nakai, Ichiro Sakuma, Hiroko Togashi, Mitsuhiro Yoshioka, Hiroshi Satoh, Akira Kitabatake: "S-nitrosylated polyethylene glycol-conjugated hemoglobin derivertive as a candidate meaterial for oxygen therapeutics. In : Polymer drugs in the clinical stage : Advantages and prospects"Kluwer Academic/Plenum Publishers (in press). (2003)